質疑応答

不動産・まちづくり関係

Q. なんばエリアのさらなる躍進に向けた施策について説明してほしい。

A. これまでなんば駅を起点に南へ人の流れを作る開発を進めてきた。現在は「グレーターなんば構想」を掲げ、行政・地域との協働により、なんば駅前に憩いの空間である「なんば広場」を整備したほか、一昨年には通天閣観光をグループ会社化するなど、なんばから新今宮、新世界へと南への回遊性を考えたまちづくりを行っている。クボタ本社跡地の開発計画についても、回遊性向上に資するため、今後、何らかのかたちで協力してまいりたい。

 

Q. オンデマンドバスに関する今後の見通しについて説明してほしい。

A. ニュータウンの人口減少が進んでおり、バス路線の維持に取り組んでいるが、どうしても採算性の厳しい路線は減便・廃止せざるを得ない。泉北エリアにおけるオンデマンドバスの実証実験は、過去3回実施したが、お客さまの利便性や事業収支の面で持続的な事業として進めることは難しく、現在行政と今後の進め方について協議を行っている。自治体のコミュニティバス路線の開設等を働きかけることにより、地域の足を守るという社会的使命を果たしてまいりたい。

 

Q. 災害発生時の帰宅困難者対策について、なんばエリアでの取組みを教えてほしい。

A. 初動対応に重点を置いた防災計画に加え、優先的に復旧させる重要業務等を定めたBCP基本計画の策定等の備えを行っている。なんば地区では、各施設の警備・清掃・設備要員用に3日分の備蓄品を備えているほか、2020年に大阪市から事業者により帰宅困難者対策を定めるよう通達があったため、避難者が安全に移動できるよう案内マニュアルの整備・更新等を進めている。

 

Q. 雇用があるところに人は集まるので、沿線における企業誘致や地場産業の振興に取り組んでほしい。

A. 就職や進学を機に沿線を離れる方が一定数いるのは事実で、沿線人口減少の大きな要因になっている。対策として、企業は通勤に便利な地に拠点を置くことから、当社としては沿線からのアクセスが良いなんばにオフィスビルを建設し、働く場の提供を進めている。なにわ筋線開業により、梅田も当社沿線と直結するため、その効果は大きいと考えている。また、和歌山県橋本市で企業団地への誘致を進めているほか、和歌山大学前駅近くにインターナショナルスクールを誘致するなどの取組みを進めている。今後もさまざまな施策により、沿線人口の増加に努めてまいりたい。

 

 

鉄道関係

Q. 難波駅の南海線側のトイレは故障して2か月以上、高野線側は1か月以上放置されている。国土交通省から駅のトイレのあり方について通達が出ているはずであるが、役員は現状を把握しているのか。

A. ご指摘のトイレについては、現場を確認して早急に補修したい。国土交通省の通達は、特に女性トイレの混雑緩和について対策を求める内容であり、同業他社の改修事例も参考に進めてまいりたい。現在、トイレのリニューアルを順次進めており、対象の88駅中77駅でリニューアルを完了している。

 

Q. 南海フェリーの事業撤退に伴い、和歌山港線は廃止されるのか。

A. 和歌山港線は、地域の重要な交通インフラであり、南海フェリーの事業撤退にあわせて廃止する計画は無い。

 

Q. 駅の時刻表がQRコード化されて不便なので紙の時刻表を掲出してほしいと要望してきたが、半年以上が経過してから掲出された。QRコード化は慎重に検討すべきであったのではないか。また、利用者の声が本社に届いて対応につなげるプロセスを利用者目線にすべきではないか。

A. 最近、列車行先案内盤が設置されていない駅には、QR時刻表を補完する目的で紙の時刻表を掲出することとした。QRコード化に対するご意見は、上層部にまで共有され、対応を検討した。お客さまの声への対応のスピード感については改善をはかっていく。

 

Q. 南海本線の津波対策について説明してほしい。

A. 緊急地震速報を受信すると全列車を停止させ、津波被害が想定されるエリアに在線する列車はエリア外の駅に移動させ、お客さまの避難誘導を行う。駅間で停車した場合でも、軌道内に避難方向を明示しており、適切に避難できるよう備えている。引き続き安全対策には万全を期していく。

 

Q. 高野線の大和川橋梁は老朽化していると思うが、橋梁の津波・増水・地震対策が必要だと考えるので、当社としては国費を確保できるよう行政に働きかけ、2050年までの架替えを検討してほしい。

A. 高野線の大和川橋梁について、東南海・南海地震に対しての安全性は確認しており、落橋防止等の補強についても完了している。鉄道橋梁について、治水上の理由により架け替える事例があることから、本橋梁についても、河川管理者と意見交換をしてまいりたい。

 

Q. 大和川橋梁の架替えを含む高野線の大阪市内連続立体交差化事業について、社長の意気込みを聞きたい。

A. 連続立体交差化事業は、安全のみならず、まちづくりの視点からも効果のある事業であると認識している。今後も行政と協議を行い、地域の利便性向上とともに、2050年の企業像を実現するために、鋭意努力していく。

 

Q. なにわ筋線建設工事の進捗状況について説明してほしい。

A. なにわ筋線事業は関西高速鉄道が事業主体となって進めている。当社は同社に出資する立場であり、工事完了後は、第2種鉄道事業者として同社が所有する線路施設を使用して大阪駅に乗り入れることとなる。現在は全区間で工事に着工しており、2031年の開業をめざして、関係者とともに事業を推進していく。

 

Q. GRAN 天空の運行開始と泉北線統合の効果をどのように評価しているのか。GRAN 天空の乗車率も含めて説明してほしい。

A. GRAN 天空は4月24日から運行を開始し、乗車率は当初目標を上回って順調に推移している。また、泉北高速鉄道との経営統合効果として、運賃の値下げにより泉北線と高野線を直通でご乗車いただくお客さまが5%程度増加しており、当初予想より運賃値下げによる減収幅は小さくなっている。

 

Q. 住ノ江駅に掲出されている紙の時刻表について、特急サザンへの接続列車の表示がなくなった。不便なので表示してほしい。

A. 現在紙で掲出している時刻表では、乗換えに関するきめ細かな案内ができていないので、いただいたご意見を参考に今後検討したい。

 

 

グループ会社関係

Q. 和歌山市駅について、キーノ和歌山の開業により活性化していると感じる。一方で、和歌山バスの案内所の営業開始時刻が8時から9時に変更されたため、観光客には不便である。また、特急サザンとバスの接続を考えて和歌山バスのダイヤを組んでほしい。

A. キーノ和歌山開業後、駅前が徐々に活性化してきていると実感している。案内所の営業時間短縮は、観光促進の観点からは好ましくないため、今後NANKAIグループとしての対応を検討してまいりたい。和歌山バスの運行ダイヤは、特急サザンとの接続を意識して組んでいるが、一部、乗務員・車両運用の都合で接続できないダイヤもある。

 

Q. 堺・堺東駅間は南海バスのシャトルバスがあるが、利便性を向上させるためLRTを整備のうえ大浜まで延伸できないか。

A. 過去に堺市が東西鉄軌道整備を検討していたが、計画は中止となった。事業採算性を勘案し、現時点で当社グループが独自にLRTを整備する計画はない。

 

Q. 南海フェリーの事業撤退について、JRTTの船舶共有新造制度を活用することにより、事業を継続することはできなかったのか。

A. 事業撤退の決定打は明石海峡大橋の開通とコロナ禍の業績不振であり、現在、南海フェリーは債務超過に陥っている。近年の原油高騰や人件費上昇、人口減少により経営環境は厳しさを増しており、直近では燃油価格が5年前の2倍近くになり経営を圧迫している。また、老朽化しているフェリーかつらぎに代わる新船の建造が急務だが、新造費用は2019年就航のフェリーあいの1.5倍となる約45億円と見込まれており、投資回収が困難である。このような状況下で外部から多額の投資を受けることは難しい。公共交通を担う責務は承知しているが、事業の採算性・将来性や現在の財務状況を勘案し、やむを得ず事業撤退の判断に至った。

 

 

その他

Q. グループ会社の関西空港交通において、バス乗務員の休憩時間不足が常態化しており、労働基準法に違反している。親会社としてこの事実を把握しているのか。また、親会社としてどのような是正指導を行うのか方針を説明してほしい。

A. 個別の事案に関する詳細の回答はこの場では控えさせていただく。グループ全体でコンプライアンス体制が機能するよう、親会社の責任者として取り組んでまいりたい。

 

 

ホームページで受けた質問について

Q. 高石駅は時刻表が切符売場の端にしかなく、ホームではQRコードで見るように案内されているが、不便である。列車案内の拡充をしてもらいたい。

A. スマートフォン等の普及を踏まえ、時刻表のQRコード化を進めている。一方で、ホーム上での案内不足に関するご指摘については、課題として認識しており、2026年6月5日から行先案内表示が設置されていない駅を中心に、QRコード時刻表を補完する目的で、ホーム上でも時刻を確認いただけるようポスターサイズの紙の時刻表を掲出している。高石駅についても、待合室等への掲出を行っている。引き続き、どなたにも分かりやすく安心してご利用いただける駅づくりに努めてまいりたい。

 

Q. 主要駅以外の行先案内装置の設置を進めてほしい。

A. 列車行先案内盤については、乗降数や駅の特性等を総合的に勘案し、主要駅を中心に設置を進めている。引き続き、どなたにも分かりやすく安心してご利用いただける駅づくりに努めてまいりたい。

 

Q. ホームドアの設置駅を増やしてもらいたい。

A. ホームドアの整備については、お客さまの安全確保に資する重要な施策であると認識している。整備計画に基づき、順次設置を進めており、2026年度には中百舌鳥駅1番線への設置を完了し、2027年度には中百舌鳥駅2番線及び泉ケ丘駅への設置を予定している。具体的な計画については、内容が固まり次第、順次お知らせする。

 

Q. 優先座席の利用方法や車内での荷物の置き方等、乗車マナーが守られるよう、訪日客を含めお客さまへの案内を徹底してもらいたい。また、駅の乗車位置の案内に優先座席の位置が記されていないので、位置を示してほしい。

A. 車内放送や駅・車内への掲出物等により、優先座席の適正な利用や手荷物マナーについて周知に努めており、今後も多言語での案内表示や放送、空港線を中心としたマナー啓発強化等、訪日のお客さまにも趣旨をご理解いただける取組みを進めてまいりたい。混雑時の荷物の置き方についても、周囲のお客さまへの配慮をお願いする案内を引き続き強化する。駅ホーム上の乗車位置案内については、安全性向上の観点から順次見直しを進めており、その更新にあわせて、乗車位置案内に優先座席の位置を示すマークを表示することで、優先座席付近の乗車位置が分かりやすくなるよう整備を進めている。今後も快適にご利用いただける車内環境づくりに取り組んでまいりたい。

 

Q. 10000系サザンの車両は導入後40年以上経過しているが新型の車両の導入の予定はあるか。

A. 特急「サザン」車両については、南海線における今後の特急サービスのさらなる充実に向けて、次期特急車両の導入を計画しており、より快適で魅力ある移動空間の提供を考えている。具体的には、従来の都市間ビジネス輸送機能をより充実させるとともに、和歌山方面への観光需要にも対応したラグジュアリー性を備えた車両の導入を予定している。引き続き、お客さまのご期待にお応えできるよう、魅力ある輸送サービスの実現に努めてまいりたい。

 

Q. 新観光列車「GRAN 天空」の撮影会はなぜ行われなかったのか。

A. 新観光列車「GRAN 天空」は、2026年4月24日の運行開始に向け、安全・安定輸送を確保するためのオペレーション訓練等、運行開始に必要な準備を最優先に進めた。一般向けの撮影会については、関係各所との調整や日程確保の観点から開催が難しく、実施には至らなかった。今後、お客さまからのご要望や運営面での調整状況等を踏まえ、撮影会の実施について検討してまいりたい。

 

Q. 高野線のダイヤ変更後、朝夕の各停が4両編成になり、不便になった。朝夕の優等列車8両編成を切り離して日中の各駅停車に使うなどして、車両の運用方法を改善してほしい。

A. 今回の高野線編成両数の見直しは、ご利用状況の変化を踏まえ、「ご利用の多い時間帯の増発」と「その他時間帯の適正化」を組み合わせ、路線全体としてバランスの取れた輸送体系の構築をはかる観点から実施した。また、車両数や運用上の制約のもと、将来にわたり安定的かつ持続可能な輸送サービスを提供していくことも目的としている。一方で、時間帯別の編成両数や運用方法に関するご提案については、直ちに編成の見直しを行うことは難しいものの、引き続き混雑状況を注視し、輸送力とご利用状況のバランスの確保に努めてまいりたい。

 

Q. 南海電鉄住ノ江駅から大阪メトロ天下茶屋駅まで連絡線を設置し、関西空港駅から阪急京都線高槻市駅まで直通運転する計画はあるか。

A. 他社線との直通運転については、会社間での車両仕様や線路幅、保安装置の違い、路線ごとの構造条件の違いなど、実現に向けて解決すべき課題が多いことから、現時点で具体的な計画はない。

 

Q. 株主に対する鉄道のイベントの拡充をお願いしたい。鉄道イベントに興味のある株主が参加できるように、応募券を配布して提出した株主から抽選してほしい。

A. 株主の皆さまに当社へのご理解をより一層深めていただくとともに、多くの方々に当社株式に対する興味・関心を持っていただくための取組みとして、2024年度・2025年度と2年連続で「株主向け限定企画」を実施した。2025年度については、2025年9月30日現在で当社株式を100株以上保有いただいており、アンケートにご回答いただいた株主さまから抽選で30組さまに対して、『「GRAN 天空」デビュー直前「特別見学会」』、550名さまに対して、『限定グッズ等の贈呈』を実施した。アンケートの回答率は、他社における同種のアンケートの回収率を上回っており、このような取組みに対する関心の高さを実感している。ご意見に記載の鉄道に関する株主さま向けイベントの拡充や抽選方法の見直しを含め、今後の企画については未定であるが、より多くの方々が当社のファン株主となっていただくための取組みを引き続き検討してまいりたい。

 

Q. eスポーツの推進について、地域間輸送を事業とする当社にとって必要な事業なのか。

A. 当社グループは、鉄道を中心とした「地域間輸送」を基盤としつつ、沿線価値の向上と地域の持続的な発展を重要な経営課題と位置付けており、「人の流れ」を創出・拡大することが、グループ全体として提供すべき価値であると捉えている。その意味で、eスポーツ事業は、単なる新規事業ではなく、沿線活性化及び交流人口の創出を目的とした戦略的な取組みであると考えている。引き続き、収益性及び事業の持続可能性を十分に見極めながら、推進してまいりたい。