質疑応答

第106期定時株主総会における質疑応答の要旨を記載しています。

議案関係

Q. 取締役ではない岡嶋社長が本日の取締役会で代表取締役に選定されるとのことだが、遠北会長兼CEOと岡嶋社長兼COOの役割分担はどのようになっているか。

A. 岡嶋は、指名委員会での審議を経て、取締役会で社長として選定している。昨年の株主総会において取締役でない執行役員の中から社長を選定する場合に備え、定款変更を行っており、会社法上も問題ない。役割分担については、経営の監督とその最終責任はCEOである遠北が担い、業務執行の責任を岡嶋が担うこととなる。

鉄道関係

Q. 悪天候による倒木や土砂崩れ等による運行支障への対策はどうなっているか。

A. 倒木対策として、樹木医による点検を行い、予め倒木可能性のある樹木を事前に確認している。また、土砂災害対策として、防災情報システムを構築し、雨量や河川水位を把握するとともに、河川氾濫土砂災害リスクを迅速に把握するシステムを採用し、被害を最小限に抑えるよう取り組んでいる。

Q. インバウンド旅客の回復に伴い、スーツケースやスマートフォン利用に関するマナー向上についてどう取り組んでいくのか。

A. 8300系にはスーツケースを置くスペースがあるが、その他の車両にはスペースがないため、ご利用のお客さまから乗降がしづらいとのご意見を頂戴している。駅係員や乗務員による注意喚起やポスターによる啓発を行い、乗車マナーの周知徹底をはかってまいりたい。

Q. 強風時に風速規制によって関西国際空港連絡橋上を列車が運行できないことがあるが、何らかの対策はないだろうか。東北地方では線路脇に風車を設置し対応していると聞いたことがあり、こうした提案を施設所有者にできないか。

A. 防風壁の設置により、運転規制値が最大風速30m/s以上に緩和され、運休は少なくなっている。したがって、現時点では線路脇に風車を設置するといった対策については、施設を所有する新関西国際空港株式会社とは協議していないが、貴重なご意見として承りたい。

Q. 高野線の山間区間においては、がけ崩れが心配であるが、のり面の点検はどのように行っているか。

A. 崩壊の危険があるのり面は防災工事を施工するとともに、施工後も定期的に点検し補修を行っている。

Q. なにわ筋線では、地下駅となる南海新難波駅から地上駅の新今宮駅間において、44‰の勾配区間があると聞いたが、既存車両で運行できるのか、それとも車両を新造して対応するのか。

A. なにわ筋線の44‰の勾配区間については、車両の登坂性能が必要になるが、8300系はその性能を有している。現在、順次、既存車両の同系への更新を進めており、計画的に実施することで対応してまいりたい。

Q. 車両故障により特急が運休を余儀なくされるケースが増えていると感じるが、高野線の特急車両を増備することは考えているか。

A. 特急こうやとして運行する車両は、製造から一定年数が経過しているが、メンテナンスによって安全に活用している。特急車両の増備についての具体的計画はないが、既存車両の改造や新たな特急車両の製造を含めて、今後検討してまいりたい。

Q. 鉄道利用客に対する優先座席の案内が不足しているため、強化してほしい。

A. 新造車両の優先座席では座席やつり革の色を変えているほか、お客さまに対して駅や車内での案内放送によって、ご理解とご協力をお願いしているが、さらに周知に努めてまいりたい。

Q. 岸和田市内の春木~和泉大宮駅間を高架化する計画はあるか。春木駅付近では、線路上を跨いで道路が走っており、これを越えて高架とすることは現実的ではないとの話も聞くがどうか。

A. 現状、大阪府や岸和田市から協議はなく、高架化に向けた動きはない。

Q. 特急サザンは、座席指定車両が空いていて自由席車両が混んでいるように感じるので、自由席車両を増やすことはできないか。

A. 特急サザンは、座席指定のご利用が少ない時間帯もあるが、コロナ禍を踏まえて着席需要は高まっており、しっかりとPRしてお客さまにご利用いただけるよう努めたい。また、車両編成の都合もあり、自由席車両を増やすことは対応いたしかねるので、ご理解願いたい。

Q. 南海電車といえば緑色の電車といったイメージがあったが、なぜ変更し、緑色の電車をなくしたのか。

A. 緑色の電車として長く皆さまにご愛顧いただいていたが、関西国際空港開港前に、CIとして当社のイメージを刷新すべく、車両の色を現在の色に変更しイメージチェンジをしたものである。
ブランドイメージをどう訴求するかについては、選ばれる沿線、選ばれる企業グループとなるために、ブランドスローガンを策定し発信するほか、社員一人ひとりが、お客さまにサービスを通じてその意識を伝えられるよう日々取り組み、浸透をはかっている。

沿線価値向上関係

Q. 岬町が行う「みさき公園」跡地の整備計画に当社は参画していくのか。

A. 昨年9月に新たな事業者が決定したことは認識しているが、現在のところ参入は考えていない。新たな施設ができれば、鉄道をご利用されるお客さまが増えることが見込まれるため、駅の利便性向上策等については検討してまいりたい。

総務関係

Q. 磁気券が使えない改札機が増えてきているため、株主優待の定期券式乗車証をICカードに移せるようにしてほしい。

A. ICカードに株主優待乗車証の情報を載せることには多額のコストがかかるため、すぐに対応することは難しいが、ICカード化以外の代替案を含め、より良い方法を継続して研究してまいりたい。

ホームページで受け付けた質問について

Q. 遮光幕を使用する運転士を多々見かけるが、どういう理由によるものか。体調急変を悟られたくないことが理由であるとの話を聞いたことがあるが、どうか。

A. 遮光幕は反射による前面ガラスへの映り込み等を防止するために使用するものである。夜間やずい どう以外でも運転士の判断で使用する場合もあるが、その場合は、お客さまに誤解を与えることなく適切に使用するよう指導の強化をはかってまいりたい。
また、運転士には国土交通省令に基づく医学的な検査が義務付けられており、当社においても必要な検査を実施し、従業員の健康について責任をもって管理している。