コンプライアンス

コンプライアンス経営の推進

当社グループでは健全な発展と企業倫理を確立しコンプライアンス経営を維持・推進するため、「企業倫理規範」を制定しています。
「企業倫理規範」の内容については、コンプライアンス研修等を通じて浸透を図っており、この研修内容については、取締役会にて報告を行っています。また、遵守状況については、当社グループ全役職員を対象に3年に1回実施するコンプライアンス意識調査においてモニタリングし、調査結果は取締役会において報告するとともに、その有効性を検証しています。万一、重大なコンプライアンス違反が発生した場合には、社長兼COOを委員長とするリスク管理委員会において、その是正や再発防止策を策定します。

リスク管理委員会は原則として毎月1回、守秘義務を課したうえで開催しています。2023年度は計12回開催し、内部通報制度の運用状況やコンプライアンス・リスク関連報道について報告を行い、経営陣でそれらの内容を共有しました。

企業倫理規範
    1.

    法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行う。

    2.

    顧客、取引先、株主等を含む幅広い社会との、健全で良好な関係の維持に努める。

    3.

    地域社会に貢献する良き「企業市民」たることを目指す。

    4.

    企業や市民社会の秩序に脅威を与える反社会的勢力や団体とは断固として対決する。

2001年9月制定

コンプライアンスの推進体制

当社では、コンプライアンス担当の専任部署として「リスク管理室」を設け、責任者として執行役員を任命しています。また、当社グループ全体へのコンプライアンスリスク軽減に向けた推進責任者である「コンプライアンスリスクオーナー」を選任するとともに、職場での啓発活動を図る「コンプライアンス担当者」を社内各部およびグループ各社に配置しています。

 

コンプライアンス教育の実施

当社グループ全役職員へのコンプライアンス意識の浸透を図るため、各種研修などの教育を継続的に実施しています。2023年度については、役員以下役職に応じた内容のコンプライアンス研修を実施しました。また、毎年10月を「コンプライアンス強化月間」とし、啓発ポスターの掲示など、コンプライアンスの取り組み強化を図っています。さらに「企業倫理規範」の精神を定着させるため、当社グループ役職員一人ひとりの取るべき行動を実践的に示す「コンプライアンスハンドブック」およびコンプライアンスの観点から自身の判断・行動を自問する「コンプライアンスカード」を制作し、当社グループ役職員に配布しています。これらの取り組みにより、コンプライアンス教育の実施に努めています。

 

コンプライアンスハンドブック
コンプライアンスカード
「コンプライアンスハンドブック」の内容

    企業理念・方針等

    ・企業理念 ・グループ経営方針 ・企業倫理規範 ・腐敗行為防止に関する基本方針
    ・南海グループ人権方針 ・企業倫理ホットライン

    良好な職場環境

    ・人権侵害、差別的な取扱いの禁止 ・適正な労働環境づくり
    ・セクシュアルハラスメントの禁止 ・パワーハラスメントの禁止 ・マタニティ(パタニティ)ハラスメントの禁止

    公正な企業活動

    ・不正の起こりにくい職場づくり ・お客さまの安全第一 ・適時適切な情報開示
    ・行政機関への報告等の適切な実施 ・適正な経理処理 ・犯罪行為の禁止
    ・商品やサービスの品質確保

    ルールの順守

    ・社内規則の遵守 ・情報管理、情報セキュリティ ・個人情報の保護
    ・ソーシャルメディアの利用について ・インサイダー取引の防止 ・知的財産権の保護
    ・公私混同の禁止 ・道路交通法、マナーの遵守

    社会とのかかわり

    ・不公正な取引の禁止 ・反社会勢力との関係遮断
    ・環境保護への取組み ・賄賂・過剰な接待行為の禁止

内部通報制度

当社およびグループ会社の法的・倫理的問題を早期に発見し、是正していくための体制として、役職員からの内部通報・相談を受け付ける「企業倫理ホットライン制度」を設けています。本制度では、公益通報および事業活動における法的・倫理的問題に関する疑問・相談を受け付け対象としており、2023年度の当社グループの通報件数は44件(2022年度は30件)でした。
同制度は「個人で悩みを抱え込まない」「会社として問題の早期発見、是正に取り組むことができる」といった自浄作用、加えて「違法行為への抑止力」としても機能していると評価しています。
運用に当たっては、2022年6月施行の改正公益通報者保護法も踏まえたうえで、「企業倫理ホットライン制度規程」において、「内部通報者の秘密を厳守すること」「内部通報者および調査協力者に対して通報・調査協力を理由として不利益・不当な扱いや、探索・報復・差別行為を禁止すること」などを明確に定めています。また、その運用状況について、定期的にリスク管理委員会および取締役会で報告しています。匿名での相談や通報も可能としており、相談受付窓口を社内に加え外部の弁護士事務所にも設けています。なお、企業倫理ホットライン制度および窓口を周知することを目的に、職場でのポスターの掲示や同窓口の連絡先を記載した「コンプライアンスカード」も活用しています。
なお、企業倫理ホットライン制度の認知度については、毎年調査を行い確認しています。

 

企業倫理ホットラインポスター
通報・相談実績
  
  2022年度 2023年度

企業倫理ホットライン件数

30件

44件
2023年度 企業倫理ホットライン通報種別(通報に基づく)
企業倫理ホットライン制度(コンプライアンス違反時)の対応手順
    1.

    内容確認

    対面、電話、FAX、メール、封書により通報者からの通報内容を確認

    2.

    調査実施

    通報内容を元に関係する各部門又はグループ会社に必要な調査を実施

    3.

    是正措置

    調査の結果をリスク管理室で確認後、是正が必要な事実が発見された場合は、是正措置を講じることを職場等に働きかけるとともに是正措置実施後の状況を確認

    4.

    回答

    調査結果、是正措置について通報者に回答

なお、事務局の調査の結果、重大な法令違反の可能性がある場合、又は事案がもたらす影響が大きいと判断される場合は、リスク管理委員会の審議を経るものとしています。

腐敗行為防止に関する基本方針の制定

当社グループでは腐敗行為について、これを防止することを宣言するとともに、この実現のための基本方針を2022年4月に定めました。「国内外の公務員に対する贈収賄」「民間取引における贈収賄・横領背任、その他不公正取引行為」「犯罪収益の洗浄・隠匿」「司法妨害」「その他腐敗行為の防止に関する民事上、行政上、刑事上の各種法令に抵触する行為」「社会通念や一般常識の範囲を超える接待・贈答の受領又は提供」などに代表される腐敗行為を禁止する当方針を全ての役職員に適用するとともに、ビジネスパートナーなどに対しても腐敗行為防止の取り組みを求めています。
当方針の定めに従い、コンプライアンスハンドブックなどを通じた当方針の周知・研修、実施プログラム策定と周知・研修、相談窓口の設置と情報管理・保存の徹底に取り組んでいます。

腐敗行為防止に関する基本方針

腐敗行為については、これを防止することを宣言するとともに、この実現の為の基本方針を以下のとおり定めます。

    1.
    1. 腐敗行為の禁止
      以下の行為を腐敗行為の代表的なものとし、これらの行為を行いません。
      • ・国内外の公務員に対する贈収賄
      • ・民間取引における贈収賄・横領背任、その他不公正取引行為
      • ・犯罪収益の洗浄・隠匿
      • ・司法妨害
      • ・その他腐敗行為の防止に関する民事上、行政上、刑事上の各種法令に抵触する行為
      • ・社会通念や一般常識の範囲を超える接待・贈答の受領又は提供
    2.

    適用対象

    本基本方針は全ての役職員に適用するとともにビジネスパートナー等に対しても腐敗行為防止に関する取組みを求めます。

    3.

    周知・研修

    腐敗行為防止に関する本方針の周知・研修並びに、腐敗行為防止のためのプログラムの策定及びこれらの周知・研修に努めます。

    4.

    相談窓口の設置と情報管理・保存

    本方針に違反する疑いがある場合、内部通報窓口(企業倫理ホットライン)にて報告・相談を受け付け、速やかに事実関係の調査を行うとともに必要となる是正措置を講じます。本腐敗行為防止の基本方針に関わる必要な記録について、管理・保存に努めます。

暴力団排除条項の導入

政府が定めた「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」は、暴力団をはじめとする反社会的勢力との関係遮断のための取り組みを、企業が一層推進することを求めたものです。
これを受け、2008年度から各部門で締結する契約書などに暴力団排除条項の導入を図っています。