CFOメッセージ

取締役 常務執行役員
経営戦略室長、CFO
大塚 貴裕
当社グループでは、2025年度~2027年度を対象とする新たな中期経営計画「NANKAIグループ中期経営計画2025-2027」を策定しました。本計画は、将来にわたって社会的使命を果たし続けるために、従来の在り方から脱却し、新たな南海グループへの変革を目指すものです。
本中期経営計画では、不動産と公共交通の両事業に対し集中的な投資を実行することで、「飛躍的な不動産事業の拡大」と「未来を拓く公共交通事業への変革」を実現し、企業価値の大きな向上に向けたコア事業の強化を図ります。
投資総額は過去最大規模となる最大3,600億円を計画しており、成長投資および安全更新投資を加速してまいります。営業キャッシュ・フローや借入、社債発行などによる資金調達のほか、保有資産の売却や政策保有株式の縮減などにも取り組み、基礎的な財務健全性を維持しつつ、投資資金を確保してまいります。
また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けては、ROICを活用した経営管理や事業ポートフォリオの見直し、成長戦略の推進など、ROEとPERそれぞれの向上に資する打ち手を遂行し、PBR向上・企業価値の向上を目指してまいります。
本中期経営計画では集中的な投資に伴う減価償却費の増加により利益成長は一時的に鈍化する見込みですが、各戦略の着実な遂行によりトップラインの成長を継続させ、2027年度の営業利益は過去最高益となる360億円以上を目標としています。さらに、事業戦略と財務戦略の連動を強化することで、成長と財務健全性維持の両立を図り、2027年度の純有利子負債残高/EBITDA倍率は7倍台、ROEについては7%の水準を目指します。
株主還元について、当社はこれまで安定的な配当を行うことを基本方針としてまいりましたが、自己資本の蓄積が進み、財務の安定性が向上している状況を踏まえ、定量指標を導入し、株主還元の強化を図ることといたしました。本中期経営計画における株主還元方針といたしましては、安定配当を基本方針としつつ、連結配当性向を段階的に向上させ、2027年度には30%程度とすることを目標とし、状況に応じて機動的に自己株式取得を行うこととしております。業績や財務状況など勘案しながら、株主の皆さまの期待に応えられるよう、最大限の努力をしていきます。
2025年7月