価値創造へとつなげる南海グループ人財戦略 人への投資で、南海版イノベーションの実現へ
人的資本経営に対する考え方
当社グループでは、「人財」を最大の「資本」として捉え、企業価値創造の源泉は「人」であると考えています。その考えのもと「人への投資」を積極的に行い、人的資本経営の取り組みを進めています。
南海グループ人財戦略
当社グループでは、人的資本経営の取り組みをさらに加速させるため、2024年度、経営戦略と連動した「南海グループ人財戦略」を策定しました。当該人財戦略は、人財確保・育成方針と社内環境整備方針から構成されています。人財確保・育成のテーマは「多様な人財と多様な専門性の向上」と「グループ共通の価値観浸透とスキル向上」とし、社内環境整備のテーマは「いきいきと健康に働ける環境づくり」と「イノベーションに取り組む環境づくり」として、これらに基づき各種人事施策を企画・実行していきます。
人財戦略に基づく人事施策、つまり「人への投資」を行った結果目指すのは、社員一人ひとりが幸せや充実・成長を実感できる環境をつくることです。さらに、多様な人財がいきいきと働ける環境を実現することで、担当事業・業務や役職などにかかわらず、全ての社員が「南海版イノベーション」に取り組む状態を実現したいと考えています。
このように、最大の資本である人と組織を充実させていくことで、事業戦略の実現や持続的な企業価値向上、当社グルー プが掲げる「サステナブルな社会」や「2050年の企業像」の実現へとつなげていきたいと考えています。
人財戦略の実践により、グループで働く人の‘なんかいいね’と感じる状態をつくり、社員と会社が共に成長していくことで、社会やお客さまの‘なんかいいね’ につなげていきます。
南海グループ人財戦略 ~働く人の ‘なんかいいね’ を、社会やお客さまの ‘なんかいいね’ につなげる~

※指標①~⑦については、「南海版イノベーション」に取り組むための人への投資の表中に記載しています。
人財確保・育成方針 | ①全ての人財確保・育成活動を、イノベーションに取り組むための「投資」と位置づけます。 ②一人ひとりの人財の多様な個性・志向を活かした、自律的なキャリア形成やスキルの習得・向上を支援します。 ③あるべき個人と組織の状態を示す「人財ポートフォリオ」を設定し、その実現に向けて採用・配置・評価・処遇と連動した人財育成施策を推進します。 |
社内環境整備方針 | ①全ての人財がいきいきと働き続けられるような制度・風土や職場環境を整えます。 ②DE&Iを重視し、多様なバックグラウンドやライフステージの人財が存分にイノベーションに取り組める組織づくりを行います。 ③全ての人財が心身共に健康でいられるよう、健康状況や職場環境のモニタリングや維持改善活動、法令・倫理遵守を推進します。 |
「南海版イノベーション」とは
「社員一人ひとりが、現在取り組んでいる事業・業務を改めて見つめ直し、大小問わず、社会やお客さまが本当に望んでいることを捉えて実現していくこと」を、当社グループが目指すイノベーションとしています。これを「南海版イノベーション」と呼んでいます。
これに取り組むことで、「事業創造」「既存事業のバリューアップ」「業務改革」などの成果が生まれると考えています。当社グループが目指す姿の実現に向け、全社員が全ての事業・業務で「南海版イノベーション」に取り組んでいきます。
南海グループの目指すイノベーション(南海版イノベーション)
現在取り組んでいる事業・業務を改めて見つめ直し、大小問わず、社会やお客さまが本当に望んでいることを捉えて実現していくこと
・新規領域/既存事業の周辺領域での、新ビジネス・サービスなどの開発
・収益・利益の向上
・事業構造の見直し
・顧客満足度・認知度・愛着度などの向上
・「事業活動」「事業創造」「既存事業のバリューアップ」への貢献・サポート
・業務プロセスの抜本的な見直し、時間の有効活用(手間の削減)
・わかりやすさ・正確さの向上 など

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「南海版イノベーション」に取り組むための人への投資
当社グループの人への投資を人財確保・育成方針と社内環境整備方針に基づいて行います。人財確保・育成のテーマを、「多様な人財と多様な専門性の向上」と「グループ共通の価値観浸透とスキル向上」とし、社内環境整備のテーマを、「いきいきと健康に働ける環境づくり」と「イノベーションに取り組む環境づくり」とし、これらに対応する施策を実施します。
また、各方針に対応する指標を設定し、その取り組みや達成状況をモニタリングしていきます。
テーマ | 施策 | 指標 | 目標 | 実績 (2024年3月期) | |
---|---|---|---|---|---|
人財確保・育成方針 | 多用な人財と 多様な専門性の向上 | ・多様な採用活動 ・キャリア自律の取り組み ・専門スキル向上の取り組み
| ①女性管理職比率 【連結】※1 | 10%程度まで向上 (2030年度までに) | 5.9% |
➁新規採用者に占める 女性比率【連結】※1 | 30%程度まで向上 (2030年度までに) | 26.5% | |||
③マネジメントコース※2 新卒採用者に占める 女性比率【単体】 | 40%以上を維持 (2026年度まで) | 44.8% | |||
④キャリア採用の 管理職比率【単体】 | 2021年度時点における 水準(7.4%)以上を維持 | 11.1% | |||
グループ共通の価値観 | ・価値観やビジョン浸透の | ①イノベーションスキル 習熟度【単体】 | 目標水準到達者が全体の 30%(2026年度まで) | 17.6% | |
社内環境整備方針 | いきいきと健康に 働ける環境づくり | ・ES(従業員満足度) 向上の取り組み ・働き方改革 ・育児介護への支援 ・健康経営 (心身の健康づくり) | ⑥年次有給休暇取得率 【単体】 | 90%以上を維持 (2026年度まで) | 96.6% |
⑦男性労働者の育児休業等 と育児目的休暇取得率 【単体】 | 100% (2030年度までに) | 91.1% | |||
イノベーションに 取り組む環境づくり | ・適切なリソース配分 (人・時間) ・組織風土づくり (目的志向・ 心理的安全性など) | 現在、テーマに応じた適切な指標を検討中 |
※1 当社および連結子会社52社
※2 マネージャーおよび経営人財としての活躍を目指すキャリアコース
経営戦略を実現するための南海グループ全体の人財像
当社グループは運輸業、不動産業、流通業、レジャー・サービス業、建設業、その他の事業という多様な事業会社で構成されており、今後それぞれの事業において社会やお客さまの変化に対応して事業を変革していくため、経営的視点・スキルを持つ人財(経営人財)と、各事業に精通した専門性の高い人財(専門人財)の双方を確保・育成していきます。
さらに、専門人財のうち各事業の新たな戦略をリードする人財を「戦略人財」、主に既存事業・業務を担う人財を「基幹人財」と位置づけています。特に戦略人財については確保・育成を強化するため、求めるスキル・経験を「戦略人財像」として定めるとともに、「戦略人財ポートフォリオ」を設定のうえ、確保・育成状況をモニタリングして、事業戦略を実現するための戦力づくりを進めています。

南海グループ全体で必要なスキル
当社グループでは、「南海版イノベーション」に取り組むために全社員が身に付けるべきスキルを「基礎スキル」、今後の事業戦略を推進するためにスキル保有者が増加することが望ましいスキルを「発展スキル」として、それぞれ定めています。
特に発展スキルのうち「事業創造スキル」と「データ活用・デジタルスキル」をもとに、イノベーションに取り組む能力・スキルを示す指標「イノベーションスキル習熟度」を設定しており、目標水準に到達する社員が増加するよう、社員のスキルアップのための施策を実施しています。

一人ひとりが能力を発揮できる職場・ひとづくりに向けて

総務人事グループ
HR本部長、人事部長
藤原 隆
当社グループの最大の資本は人財です。2050年の企業像である「関西にダイバーシティを築く事業家集団」の実現に近づけていくためには、当社グループに多様な人財が集い、多様な価値観のもとで、一人ひとりがいきいきと活躍していくことが何よりも重要です。
そのためにも、当社では、様々な「人への投資」を通じて、個々の人財が持てる力を発揮しやすい人事諸制度や職場風土づくりに積極的に取り組んでいます。こうした取り組みを進めていくうえでは、例えば育児や介護を始め、仕事と治療の両立など、さまざまな制約を抱える社員であっても安心しながら仕事に向き合えることが重要であると考え、「制約のない従業員は存在しない」という視点を重視するよう努めています。
また、ダイバーシティを推進し、多様な人財の持つ個性や能力をより生かしていくためには、インクルージョン(包摂・一体化)の深化が必要不可欠です。一人ひとりの社員が互いの個性を尊重し合い、互いの良いところを引き出し、活気あふれる職場をつくることを通じて、当社の持続的な成長を実現し、社会に貢献し続けたいと考えております。