気候変動への対応に向けたCO2排出量の削減、
再⽣可能エネルギーなどの活⽤推進

基本的な考え方

気候変動リスクを当社グループ最大のリスクと捉え、省エネ車両(鉄道・バス)の導入と再生可能エネルギーの使用を進め、モーダルシフトを促進するとともに、グリーンビルディングの取得・開発を拡大していきます。

CO2削減と省エネ・省資源活動

グループを挙げてCO2排出量を削減

南海グループでは政府の2030年度の温室効果ガス削減目標(2013年度比46%削減)をベースに当社および連結子会社にて、CO2排出量を2013年度比46%以上削減することを目標として掲げています。


結果、2020年度は202,632tで、基準年である2013年度の309,902tに対して34.6%削減となりました。 車両更新などによる省エネルギー効果に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による消費者の外出抑制から全グループ事業の需要が大幅に減少し、それに伴って使用エネルギーが総量で減少したことが要因です。


しかしながら、鉄道の効率性を計るエネルギー原単位(分母:走行距離)では5年間で9.3%、不動産の効率性を計るエネルギー原単位(分母:延床面積)でも5年間で15.7%削減できていることから、省エネ設備の投入効果も確実に表れています。


これからも国土交通省をはじめとするさまざまな支援事業を活用し、省エネルギー車両などエネルギー効率の高い車両や流通・不動産設備を継続して導入する一方、グループ全体の従業員の節電意識を高め、「南海環境ビジョン2030」の目標達成を目指していきます。


また、政府の「2050年カーボンニュートラル(脱炭素化)」宣言に従い、当社グループも2050年のCO2排出量実質ゼロの目標を設定しました。目標達成に向けて、今後は、エネルギー効率の高い車両導入や流通・不動産設備の更新などあらゆる方策を検討・実施していきます。

CO2排出量の推移(連結)

「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に賛同

当社は「南海環境ビジョン2030」に「地球温暖化の抑制」を掲げ、温室効果ガス削減に取り組んでいます。


世界では平均気温が上昇、極端な高温、大雨の頻度や洪水が増えており、気候危機ともいえる状況にあります。そこで、当社では気候変動による事業への影響を想定してリスクマネジメントを強化し、その対策を事業戦略と一体化していくための取り組みを始めています。2021年9月には気候変動に起因する金融市場の不安定化リスクの低減を目的としたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※の提言に賛同しました。

    国際機関である金融安定理事会によって2015年に設立。気候変動に起因する自社の事業リスクと事業機会を評価し、財務上の影響を把握して情報開示することを提言しています。

鉄道用電力の削減

鉄道は他の交通機関と比べてエネルギー効率の高い、環境にやさしい乗り物といわれています。しかし、鉄道を運行するには大量の電力が必要であり、鉄道用電力の削減は当社の地球温暖化抑制に向けた取り組みとして最重要課題であります。


2020年度の鉄道用電力の使用量は217,369千kWh(2019年度比4.4%削減)で、そのうち運転用電力量は187,591千kWhで全体の86.3%を占め、残りの付帯電力は29,778千kWhでした。付帯電力とは信号設備、踏切設備、および駅設備(照明、空調、エレベーターなど)のために使用される電力のことで、夏季・冬季の節電活動(エレベーターの一部停止や室内温度の厳守など)や駅の照明を順次LEDに切り替えるなどの省エネへの取り組みを進めています。鉄道用電力全体では2020年度は2011年度と比較して12.2%低減しています。

回生ブレーキとVVVF制御

「回生ブレーキ」は、電車がブレーキをかけたときにモーターを発電機として作用させ、発生した電気を架線に戻して、近くを走行している他の電車に供給する仕組みです。 


発生した電力を再利用することで使用電力量を節約することができます。 


これらの方式により従来の車両と比べて電力の削減が可能となるため、搭載車両の増加を進めています。


また、「VVVF制御」は、電圧や周波数を変化させながら交流モーターを制御し、電車の加速力や速度を制御しています。 
従来の車両と異なり電気抵抗を使わないため、エネルギー効率の高い制御が可能です。 

 

上下線一括き電方式の採用と力率改善用進相コンデンサの設置

上り線と下り線のき電線(電車に電気を供給する線)を接続することで、き電抵抗を減らし、電線で消費されている電力損失の低減を図っています。これにより回生ブレーキにより発生した回生電流が接続箇所を流れるため、上下の列車間でお互いに効率よく利用することで電力消費量の削減を図っています。さらに力率改善用進相コンデンサを設置することで、電気を使用する際に生じるロスを減らし、電力効率を改善しています。

鉄道用電力使用量の推移

VVVF制御の12000系
消費電力を低減した8000系

ケーブルカーを再生可能エネルギー100%で運行[国内のケーブルカーで初]

当社では事業活動におけるCO2の排出削減に向け各種施策を実施しており、鋼索線(高野山ケーブルカー)の省エネ化の推進に努めてきました。その一環として、2021年6月1日(火)から関西電力株式会社の「再エネECOプラン」※を適用することにより、再生可能エネルギー100%での運行を実現し、さらに環境に優しい交通手段を提供しています。


なお、国内のケーブルカーにおいて、再生可能エネルギーを100%使用して運行する事例は初めてとなります。これにより、CO2排出量を年間で約60t削減します。
今後も、サステナビリティ方針に基づき、「脱炭素社会の実現」に向けて取り組んでいきます。

    「再エネECOプラン」は、関西電力株式会社が非化石価値取引市場から調達した、太陽光・水力・風力発電等の環境価値を付加した電力を使用するプランです。このプランを利用することで、実質的に再生可能エネルギーによる電力として取り扱うことができます。また、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」において、同プランで使用する電気をCO2排出係数をゼロとしてCO2排出量を算定することができます。

高野山ケーブルカー車両外観

太陽光発電の活用

当社では南海本線羽衣駅と泉大津駅と泉佐野駅のホーム上屋などに太陽光発電システムを設置しています。泉大津駅では1日当たり電力使用量の約3割を太陽光発電でまかなっています。

 

また、当社の2箇所の太陽光発電所の発電量は以下のとおりです。


当社グループの住之江興業のボートレース住之江(大阪市住之江区)に当社が設置している太陽光発電所では、年間発電量は565千kWhです。
淡輪太陽光発電所(大阪府泉南郡岬町)では、年間発電量は639千kWhです。

淡輪太陽光発電所

パーク&ライド

旅客1人を1km運ぶときに排出する二酸化炭素を比べてみると、鉄道は自家用乗用車の約7分の1です。パーク&ライドを推進し、公共交通利用の促進をすることでCO2削減に取り組んでいます。

    商業施設イオンモール和歌山への移動に利用可能

    「南海パーキング岸和田駅」

    「南海パーキング樽井駅」

ZEHデベロッパーに登録

当社は、一般社団法人環境共創イニシアチブの定めるZEHデベロッパーに登録しました。

    ZEH[ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ゼッチ)]とは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支を正味でゼロとすることを目指した住宅のこと。

    ZEHデベロッパーとはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)実証事業の趣旨に基づき、「ZEH-M普及に向けた取組計画」「その進捗状況」「ZEH-M導入計画」「ZEH-M導入実績」を一般に公表し、ZEH-Mの案件形成の中心的な役割を担う建築主(マンションデベロッパー、所有者等)や建築請負会社(ゼネコン、ハウスメーカー等建設会社)のこと。

CDPへの回答による情報開示

CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)とは機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトのことです。当社はCDPの質問書に対し、気候変動およびウォーターを毎年回答しています。

当社のCDPスコア 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
気候変動 A- B B B B
ウォーター A- A- B B

国民運動「COOL CHOICE」への賛同

当社は、政府を挙げての国民運動「COOL CHOICE(賢い選択)」および「COOL CHOICE できるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン(みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト)」に賛同しています。


具体的な取り組みとしては、宅配ロッカーの設置(住ノ江駅、泉大津駅、岸和田駅、貝塚駅、三国ヶ丘駅、白鷺駅、金剛駅)、省エネ鉄道車両の導入、パーク&ライド、LED照明への切り替え、グリーン購入の推進等に積極的に取り組んでいます。

貝塚駅宅配ロッカー

2015年、すべての国が参加する形で、2020年以降の温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が採択され、世界共通の目標として、世界の平均気温上昇を2℃未満にする(さらに、1.5℃に抑える努力をする)こと、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが打ち出されました。

 

「COOL CHOICE」は、CO2 などの温室効果ガスの排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献する「製品への買換え」、「サービスの利用」、「ライフスタイルの選択」など地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」をしていこうという取組です。
 

 

宅配便の再配達は、環境負荷の増加や社会的損失を招いていることから、再配達削減に向けて新たな取り組みが必要となっています。

 

このようなことから、環境省が2017年3月から、「COOL CHOICE できるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」を立ち上げ、広く国民・民間企業の賛同を呼びかけている。