生物多様性の保全

生物多様性行動指針を制定し、自然との共生に配慮

当社は2017年に環境方針を改正し、生物多様性の項目を追加するとともに、「生物多様性行動指針」を制定しました。あらゆる事業活動の中で生物多様性への影響を回避もしくは最小化することを意識し、沿線における生態系の維持と持続可能な自然資源の利用の実現を目指していきます。

 

南海電気鉄道株式会社 生物多様性行動指針

私たちは、空気や水はもとより、生活のあらゆる場面で自然からの恩恵を受けています。それゆえ、私たちが持続可能な社会を築くには、自然との共生が不可欠です。沿線の自然保護に基づく環境価値の向上は当社の事業基盤の一つであり、当社のミッションであると考えています。


その自然は、様々な生物種とそれらが生息する様々な生態系が存在すること、すなわち生物多様性に支えられています。


そこで私たちは、生物多様性を尊重し、その保護育成に貢献すべく行動指針を定めます。
 

    1.

    生物多様性保全を環境課題の重点項目に位置づけ、自然との共生のために主体的に行動します。

    2.

    あらゆる事業活動における生物多様性への影響を回避、または低減するため、関連法令の正しい理解と運用に努めます。

    3.

    資源の利用が生物多様性に及ぼす影響に配慮して、グリーン購入、3R(リデュース・リユース・リサイクル)活動等を推進し、環境負荷低減に努めます。

    4.

    お客さま、お取引先企業、沿線・事業地周辺にお住いの方々など、多くのステークホルダーとのコミュニケーションを大切にし、連携して生物多様性の保全に努めます。

2017年9月30日制定

生物多様性を育む社会づくりへの貢献

当社は沿線地域の生物多様性を支援するため、2008年より大阪府生物多様性保全基金に寄付を行っております。

また、2023年には「おおさか生物多様性応援宣言」および「経団連生物多様性宣言」に賛同、2024年度には「生物多様性のための30by30アライアンス」および「TNFDフォーラム」に参画しました。

 

グリーン調達推進(グリーン調達ガイドライン)

当社は持続可能な社会の実現に向け、サステナブル調達を推進していく責務があると認識しており、南海グループとして、サプライチェーン全体で取り組むべきであると考えています。

当初は備品等の身近なものの購入において、できるだけ環境負荷の小さいものを優先的に購入するグリーン購入の取り組みから開始し、2009年度より、毎年目標を設定して取り組んでいます。また、2019年度にお取引先に対するグリーン調達についての必須事項・努力事項を定めた「グリーン調達ガイドライン」を策定しました。

この取り組みの中で、お取引先様に当ガイドラインの周知と、環境に関するサプライチェーンでの取り組み内容を周知し、協力を働きかけております。

グリーン調達ガイドライン

1.目的

南海電気鉄道は、環境理念・環境方針を定め、環境に対する負荷の低減や環境保護に積極的に取り組んでおり、今般その一環として「グリーン調達ガイドライン」を制定いたしました。
本ガイドラインでは、資材調達先であるお取引先に対する、グリーン調達についての必須事項・努力事項を定めており、当社がお取引先とともに、環境への影響に配慮した調達を推進することを目的としています。

2.適用範囲

本ガイドラインは、南海電気鉄道が調達する資材・製品等(以下「資材」という。)について適用します。

3.ガイドライン

お取引先は、当社の「環境理念」・「環境方針」・「生物多様性行動指針」を理解のうえ、取り組みの協力をお願いします。

 

【お取引先の必須事項】

    環境に関連する法令・公害防止に関連する法令等を遵守する。

    納品する資材に、法令で禁止されている化学物質を含まないものとする。

    納品する資材に、法令で規制されている化学物質をできる限り使用しないようにする。

    納品する資材に、法令で排出量の把握等が必要な物質を含む場合、SDS(Safety Data Sheet)を提供する。

【お取引先の努力事項】

環境管理体制

    環境管理体制を整備する。

省資源・省エネルギー・水資源保全

    資材の省エネルギー化、小型化・軽量化、水使用量削減をはかる。

包装・梱包

    包装・梱包材の使用量の最小化、再使用可能な構造の採用に取り組む。

資源利用・廃棄物の削減

    メンテナンスが容易で、長期間使用できる製品設計に取り組む。

    リサイクルしやすい素材を使用し、容易に分解可能な構造の採用に取り組む。

情報開示

    当社から資材のリサイクル・廃棄方法等の情報提供を要請した場合、可能な限り情報を開示する。

【その他】

本ガイドラインは、社会状況の変化、技術の進歩や法令改正等によって、必要に応じて改訂する。

2022年8月改正

サプライチェーンにおけるリスクアセスメントと課題への対応

2020~2021年度は、お取引先の環境に対する取り組み状況を把握して、継続的にコミュニケーションを図ることを目的に、約440社のお取引先のうち鉄道資機材を供給いただくお取引先100社にアンケート調査を実施しました。うち約25%のお取引先は、環境方針がなかったり担当部署や主管部署が未決定だったため、改善を働きかけました。

2022年度においては、新たに制定した「南海グループ資材調達方針」に基づく取組みに統合させました。
「南海グループ資材調達方針」およびサプライチェーン・リスクアセスメントと課題への対応はこちら

 

社内研修等の取り組み状況

当社は、購買担当者向け研修を原則として年に一度実施し、南海グループ資材調達方針の重要項目を含む基礎知識に関する教育を行っています。
また、サステナビリティに関するイニシアチブへの参加として、政府や経済団体等が推進する「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、2022年4月に公表しました。サプライチェーンの取引先との連携・共存共栄を進め、新たなパートナーシップの構築を目指しております。

 

都市の生物多様性に貢献する「パークスガーデン」

「なんばパークス」は、2003年に大阪球場跡地に開発された地上10階、地下4階建ての複合型商業施設です。段丘状の地上部分の屋上(11,500㎡)には、ヤマボウシやヤマザクラといった樹木やラベンダー、ローズマリーといった華やいだ草花など、約500種、約10万株もの植物を植栽した「屋上庭園 パークスガーデン」が設置され、さながら森のような風景をつくり出しています。そこでは多様な鳥や昆虫が見られ、生物多様性に貢献できる、大阪市内では珍しい場所となっています。


2020年3月には、ガーデンの一部をリニューアルしてウッドデッキスペースを設置し、来場者に都心においても生物多様性の豊かさを感じていただけるようになりました。

 

2020年度、花のまちづくりコンクール推進協議会主催の第30回「全国花のまちづくりコンクール」において花のまちづくり奨励賞を受賞しました。

 

2021年度、「パークスガーデン」は、‍環境省発行の「開発事業者と地域の連携事例集~開発事業をきっかけに取り組むSDGsの実現~」に、「緑による新たな賑わいの創出」事例として取り上げられました。

また、2022年6月4日付日本‍経済新聞掲載NIKKEI プラス1特集において、「屋上庭園で味わう緑の別世界」ランキングの第1位を獲得しました。「大阪が世界に誇る屋上公園の傑作」などの評価を得て、専門家12人のうち7人から1位に選ばれました。

「パークスガーデン」詳しくはこちら
http://www.nambaparks.com/parks_garden.html

なんばパークス
パークスガーデン
毎木調査の様子

グリーンパートナー協定・おおさか生物多様性パートナー協定締結とその活動

おおさか生物多様性パートナー協定

当社と大阪府は2009年、豊かなみどり・自然環境保全の促進に向け、沿線全体を対象とした「グリーンパートナー協定」を締結しました。以来、共生の森(堺市)や多奈川地区(泉南郡岬町)でのビオトープづくりなどの環境保全活動を進めています。


また、当社と大阪府、岬町、大阪府立環境農林水産総合研究所と2014年3月「おおさか生物多様性パートナー協定」を締結いたしました。

共生の森

大阪府では堺市臨海部の産業廃棄物最終処分場である堺第7-3区(約280ha)のうち100haを「共生の森」と位置づけて整備を進めています。当社は2008年度から森づくりのため、植樹祭に参加しているほか、株主優待制度を活用して寄付も実施しています。

多奈川ビオトープ

大阪府等が運営する「いきいきパークみさき」内には豊かな自然空間の再生を目指した多奈川ビオトープ※があり、月1回、大阪府、岬町、そして当社の社員が植栽木の手入れや池の管理、生き物観察などの環境保全活動を行っています。写真のように2005年当時は、殺風景な様子ですが、その後の整備活動により、2013年には、緑豊かなビオトープに整備しました。

    多奈川ビオトープ:関西国際空港二期事業土砂採取跡地であるいきいきパークみさき内のビオトープ(生き物本来の生態系が保たれた空間)

2005年当時のビオトープ
2013年当時のビオトープ