なんばエリアの活性化

2050年へ向けた“なんば”のまちづくり

関西国際空港と直結し、世界から関西への玄関口である"なんば"は日本の代表的なターミナルの一つであり、"なんば"のまちは国際観光都市として多くの方を惹きつけています。

南海グループは1885年の創業以来、"なんば"のまちを最大の事業拠点に据え、時代の最先端を追求するまちづくりを行い、まちとともに成長してきました。現在、より広いエリアの活性化を目指す「グレーターなんば構想」を推進しています。

 

グレーターなんば構想

今後、関西経済への刺激となるさまざまな好機が訪れ、未来のなんばを考える機運が高まることが期待されます。当社グループにおいては「グレーターなんばビジョン」を策定し、さまざまな施策の実行を通じて、次世代のなんばとして「エンタ メダイバーシティ(ENTAME-DIVER-CITY)」の実現を目指しています。

既存施設の深化、不動産開発、公共空間の利活用、担い手の育成などハード・ソフトの両面で基盤を構築し、「来 街人数」「滞在時間」「来街頻度」の増加、ひいては「消費機会」の増大を目指すことで、なんばのまちのサステナビリティを高め、持続的な賑わいの創出に取り組んでいきます。

 

グレーターなんば構想のソーシャルインパクト

当社グループでは、「グレーターなんば構想」を見据えて、前中期経営計画「共創136計画」では、なんばのまちづくりに約130億円を投じてきましたが、現中期経営計画「共創140計画」においても、同規模の金額をなんばエリアにおける収益拡大を企図した投資に充てる計画としています。

なんば駅東側、なんさん通り沿いに面する敷地では、大阪市の都市計画決定を受け、共同事業者とともに高層の大型複合ビルの事業化を検討しているほか、なにわ筋線開業 を見据え、なんばの通過リスクに対して打ち手を講じるべく、(仮称)南海新難波駅周辺の物件探索にも取り組むなど、今後も「グレーターなんば創造」の取り組みには最優先で経営資源を投入していく考えです。

加えて、なんばエリアで当社が管理するオフィスビルや 商業施設で働く約1.5万人へのワーカーサポートの提供、道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」の運営管理、「ミナミまち育てネットワーク」を通じたエリアマネジメント活動、なんばエリアでクリエイティブ活動の機会を展開するクリエイターインレジデンスプログラムの実施など、ソフト面の取り組みにも注力しています。

多様なステークホルダーと、「なんばをより良いまちに」という目標を共有し、エンターテインメントを核にしたもっとワクワクするエリアを目指すことで、賑わいと魅力あふれるまちを共創し、そのまちのそばで働き、暮らす魅力を高めることで、南海ブランドの社会的な価値向上に資する好循環を生み出していく考えです。

なんば広場の誕生 大阪の顔が変わる、人中心の空間へ

2023年11月23日、2度の社会実験を経て、行政と協働で南海なんば駅北側エリアのタクシープールを歩行者空間へ再編した「なんば広場」が誕生しました。
これは、放置自転車や歩行者通行量の増加に対する歩道幅員の不足、頻繁な車両通行による駅と繁華街エリアの分断など、歩行者環境面の課題と、人を中心とした広場の必要性を認識していた地元商店街の「駅前に歩行者空間を創出したい」という声を受け、実現したものです。

現在は、民間による広場の運営管理を目指し、当社、戎橋筋商店街振興組合、なんさん通り商店会、(株)髙島屋、(株)丸井の5団体による「なんば広場マネジメント法人設立準備委員会」が大阪市と協定を締結し、3度目の社会実験を実施しています。

オープン以来、「なんば広場」は「上質で居心地の良い」空間として、来街者の待ち合わせや休憩場所として賑わい、来街者の滞在時間増加、消費活動の活性化につながっています。また、歩行環境が改善されたことから、商店街などへの回遊性向上にもつながり、地域経済の活性化にも貢献しています。

今後は、大阪・関西万博の開催やなにわ筋線開通などの交 通再編が控えていることから、さらに「なんば」を魅力的なまちにすべく、2023年に策定した「グレーターなんばビジョン」のもと、まちを“担う人”となる「まち活キャスト」を育てる取り組みを加速させていきます。

 

なんば広場の様子

共にまちを創る“担い手”づくり

なんばは、長らく歓楽街として栄え、遊びに来る人・観光客などの“訪れる人”が中心でありましたが、近年、オフィス環境の整備により“働く人”“くらす人”が増え、多様なライフスタイルを持つ来街者が過ごす街となっています。

この来街者の中で、重要人物になるのが、なんばエリアの価値向上に資する取り組みを“担う人”です。当社では、この“担う人”の支援を行っています。

その一例として、なんばパークス1Fに設けている「Base(108)」を拠点に、当社所有施設内のオープンスペースを独自のアイデアをもったクリエイターや、パフォーマー等に活用していただくことで、新しい形のエンターテインメントをまちの至る所で実装し、街全体をスデージに変えていくことを目指しています。

 

なんばパークス サウス なんばエリアに新たな活気をもたらす

なんばパークスの南側に広がる約9,000㎡の敷地に、新街区「なんばパークス サウス」を2023年7月にグランドオープンし、なんばエリアにおける賑わいの広がりを創出しています。

日本初進出となるタイの高級ホテル「センタラグランドホテル大阪」、なんばエリアに新しいオフィス空間を提供する「パークス サウス スクエア」などの3施設で構成される新街区は、「宿泊・滞在・働く場」の機能を補完、拡充しました。

なんばエリアの観光やビジネスなどの拠点としてまちびらきから1年強、好調の滑り出しで、南方向へのエリア拡大、当社の掲げる「グレーターなんば構想」を体現する施設となっています。

 

なんばパークス サウス:
なんばの新たな活動拠点としてなんば駅南側の活性化に手応え