ステークホルダーとの協働による沿線価値向上
当社は、沿線の社会課題解決およびエリアブランディングを通じて、沿線で「暮らす・働く・訪れる」価値を高めることによる定住人口・関係人口・交流人口の増加を目指しています。
「暮らす」では子育て世代を対象としたイベント開催や情報発信、外国人との共生を目指したまちづくり、「働く」では沿線企業の採用支援やオープンファクトリー応援、「訪れる」では沿線の世界遺産や食資源などを活かした観光まちづくりを、それぞれ地域の方々と共に進めています。
沿線自治体との共創施策「南海沿線 まちの参観日」
当社では沿線への定住人口増加を目的に、沿線自治体や、公募で集まった当社沿線が好きで、当社沿線で暮らす魅力を発信したいと思っているクリエイターと協働し、引っ越し・移住を検討している若年・子育て世代に対して、南海沿線での暮らしに具体的なイメージを持ってもらう取り組み「まちの参観日」を実施しています。
2023年度は河内長野市において、沿線自治体で暮らすことの魅力をリアルに感じられる半日ツアーイベントの実施や、クリエイターと協働したオンライン中継での魅力発信、Web記事・SNSでの発信を行いました。
2024年度は、2023年度に引き続き、河内長野市のほか堺市においても同様の取り組みを実施していきます。この取り組みによって、エリアブランディングと直接的な人口流入のきっかけを構築し、定住人口の増加を図っていきたいと考えています。

子育てするのが楽しいまちづくり
子育て世代が南海沿線で暮らすことを楽しいと感じ愛着を持っていただける取り組みを推進することにより、南海沿線が魅力的な居住地として認知されることを目的として、「家族にえがお+1プロジェクト」を行っています。
2024年度も「南海沿線全体で子どもの“好奇心の芽”を育む幅広い機会を提供し、子育てするのが楽しいまちづくりを共創する」ことに賛同いただいた沿線自治体や企業などと連携し、6月から9月にかけて「『親子でわくわく体験!南海沿線』~やってみたい!を育てよう~」として沿線各地で計51の体験イベントを、フィナーレには、なんばスカイオにて各日計18のブースが出店する当社主催の「親子でわくわく!南海感謝祭」を実施しました。
また、「南海沿線地域が好きで、沿線の魅力を自身のSNS等で発信してくださる方(=クリエイター)」と当社がタッグを組み「南海電鉄地域発見クリエイターズ課」として沿線の魅力を発掘・発信しています。

沿線企業の魅力向上・発信
当社沿線に魅力的な働く場と働く人を増やすことを目的とした、沿線企業魅力共創プロジェクト「#BIZ TAG NANKAI」を進めており、2020年度から沿線で開催されているオープンファクトリーイベント(※)を応援しています。2023年度は沿線の4エリア(堺・泉州・河内長野・和歌山)で開催、計約8000人が参加されました。
南海電鉄は、これらのオープンファクトリーを繋ぎ、さらなる交流が生まれるような場づくりに取り組んでいます。また、万博を見据え、インバウンド誘客に興味のある沿線企業の産業観光化を検討しており、新たな泉州エリア観光の目玉に育てられるよう模索しています。
※オープンファクトリー…同じエリアに所在する複数の企業が同日に一斉に工場を開放し、一般のお客さまにものづくりの現場を周遊し楽しんで頂く取り組み。企業PRだけでなく採用・育成効果、地域企業の繋がり形成等の効果がある。

リノベーションまちづくり
沿線の遊休不動産等の活用とそれによる沿線価値の向上を目的として、
2018年度から「リノベーションまちづくりプロジェクト」に取り組んでいます。
2022年度は、和歌山市と共催で加太線にある遊休不動産の活用を考える3日間の短期集中型ワークショップ「リノベーションスクール@加太線」を開催。24年10月にはスクール受講生による飲食店「En(エン)」が加太駅前にオープンしました。
空き地・空き家のような遊休不動産や、文化・歴史・訪れる人やくらす人など、地域のあらゆる潜在資源を(再)活用し、エリアの課題を解決するリノベーションまちづくりに取り組むことで、まちが求めていた機能を生み出し、エリアの価値向上によるまちの賑わい創出を目指します。
音楽まちづくりプロジェクト
音楽まちづくりプロジェクトとは、音楽を通じて人と人、まちを結びつける参加型の音楽イベントを開催するものです。
全国から大勢の仲間と一緒に演奏したい人、ロックが好きな人が集まり、ともに音楽を奏でることでつながりを深め、開催地である南大阪を盛り上げます。
そのイベントを「千のRock You!!」と呼び、1,000人で同じ楽曲を一斉に演奏するロック大合奏で、言語や国籍、年齢の壁を越え、演奏者も観客も、参加者みんなが一体となって達成感を得ることにより、イベントひいてはこの地域に愛着をもっていただくことを目標としています。
