デジタルテクノロジーを活用した
新たな商品・サービスの創出
自動運転の実証実験
生産年齢人口減少による労働力不足といった社会課題を背景に、当社においても将来的な運転士不足の解決を目指して、運転士以外の係員が先頭車両に乗車する「係員付き自動運転(GOA2.5)」の導入に取り組んできました。2022年7月からは現在使用している「自動列車停止装置(ATS-PN)」と新たに開発した「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」を組み合わせたシステムによる自動運転実証試験の準備を進め、2023年8月に和歌山港線において走行試験を開始しました。
走行試験では、システムの安全性・安定性の検証、自動運転時に係員が行う作業における課題の抽出を行うとともに、省エネ運転などによる「CO2排出量削減」も目指しています。また、有識者で構成する「GOA2.5自動運転検討委員会」を開催し、試験結果も踏まえた安全性について評価を行っています。
この取り組みでは、既存設備を活用することで安全性を確保したうえで投資コストを抑制し、費用対効果を高めることができるため、将来にわたって鉄道事業をサステナブルに運営していくことが可能です。さらに乗務員不足がより深刻な地方路線にも参考となるモデルケースとして、鉄道業界全体における自動運転の推進にも貢献できるものと考えています。

minapitaポイントサービスにて「施設・エリア限定ポイント」の運用を開始
当社は、お客さまに選ばれる沿線を目指して、「minapitaポイントサービス」の運営や「なんばまるっとアプリ」のリリースなど、さまざまな取り組みを進めてきました。2023年11月には、「minapitaポイントサービス」をリニューアルし、鉄道会社初の「指定された施設やエリア限定で使えるポイントサービス」を追加し、なんばの商業施設のみならず南海電鉄・泉北高速鉄道沿線を回遊し楽しめる施策を実施しました。
今後も、多岐にわたる事業セグメントを持つ鉄道会社ならではの強みを活かし、ポイントサービスによる顧客接点の強化と事業連携を通じてサービス向上に努めていきます。
※minapitaポイントとは南海グループを中心とした沿線施設や鉄道などを利用することでたまる・つかえるポイントサービスです。

KANSAI MaaSアプリの開発と活用
当社を含む関西の鉄道会社7社では、次世代の新交通サービスを実現すべく、MaaSに関する検討会や協議会を立ち上げ、アプリの開発を進めてきました。
2023年9月に、関西のおでかけに便利な機能が数多く盛り込まれたスマートフォンアプリ「KANSAI MaaS」をリリースしました。主に関西地域におけるマルチモーダルでの乗換経路検索、電子チケットサービス、レジャー・宿泊施設・モデルコースなどの観光関連情報の各サービスに加え、駅構内図や列車走行位置情報への連携など鉄道7社ならではの情報サービスも併せてワンストップで提供しています。
また、2025年の大阪・関西万博に向け、万博会場へのシャトルバス対応、QR乗車券対応、外国語(英語)対応を予定し、機能アップに向けた開発を進めています。
※MaaS(Mobility as a Service)は、地域住民や旅行者一人ひとりのトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービスのこと
