百貨店やオフィスビルなどが立ち並ぶなんばの街なかに、
まるで森のように緑に覆われたスポットが突如、現れます。
そこは、なんばパークスの屋上公園「パークスガーデン」です。
ガーデン内を歩けば、青々しい草木や珍しい植物などが目にでき、
時には野鳥たちの鳴き声を耳にすることも。
街なかとは思えないような自然あふれる空間が広がっています。
実は、「パークスガーデン」が開園したのは今から20年以上前のこと。
まだサステナブルやSDGsといった言葉も広まっていなかった時代、
街なかで人々が自然とふれあい、安らぎ、
そして、自然もずっと未来へと続いてくような場づくりをめざしました。
まさに、今の社会のニーズを見据えていたような空間です。
私たちが向かうべき未来への気づきを得られるかもしれません。
百貨店やオフィスビルなどが立ち並ぶ
なんばの街なかに、
まるで森のように緑に覆われたスポットが
突如、現れます。
そこは、なんばパークスの屋上公園
「パークスガーデン」です。
ガーデン内を歩けば、青々しい草木や
珍しい植物などが目にでき、
時には野鳥たちの鳴き声を耳にすることも。
街なかとは思えないような
自然あふれる空間が広がっています。
実は、「パークスガーデン」が開園したのは
今から20年以上前のこと。
まだサステナブルやSDGsといった言葉も
広まっていなかった時代、
街なかで人々が自然とふれあい、安らぎ、
そして、自然もずっと未来へと続いてくような
場づくりをめざしました。
まさに、今の社会のニーズを
見据えていたような空間です。
私たちが向かうべき未来への気づきを
得られるかもしれません。
2Fから9Fまで段丘状の建物に沿うように緑を植えられた「パークスガーデン」は、建物の屋上を緑化しただけでなく、人や自然、そして環境にやさしい場づくりが行われています。例えば、都市の気温が周りより高くなるヒートアイランド現象を抑えたり、建物の空調に掛かる負担を減らすなど、環境との共生を意識した設計デザインがあちらこちらに施されています。また、ガーデン内では専属のガーデナーが毎日、植物の世話をしています。農薬や化学肥料を使わず手作業で害虫を駆除したり、落ち葉を集めて堆肥にしたりするなど、人にも、植物にもやさしい管理をしています。ガーデナーの作業に注目してみるのも、意外な発見や気づきがあって面白いかもしれません。
人、植物、生き物、都市環境、あらゆる面において未来を見据えたやさしいガーデンづくりが20年以上にわたり受けつがれているのです。
ガーデン内を歩くと、きっと心地いい風と清々しい空気を感じるはずです。
パークスガーデンにはたくさんの人々が訪れます。午前には植物を愛でながら散歩する人、元気にのびのびと遊ぶ小さな子ども連れのファミリー、お昼時にはランチを楽しむオフィスワーカー、夕暮れにはおしゃべりする学生たちなど、思い思いのひと時を過ごしています。誰もが和やかな様子で、たくさんの笑みがこぼれています。
「なんばの街なかで、子どもたちといっしょに過ごせる場所はここぐらいかな」
「たくさんの自然に囲まれたなかだと、会話も弾む気がする」
「いつもランチはここで。職場で食べるより、ひと息つける場所で食べたいから」
「はじめてきたけど、自分の住む街にもこういう場所があったらいいのになぁ」
そんな声が聞こえてくる、まさになんばのオアシスとして親しまれています。都会の喧騒から離れ、どこか安らぎやくつろぎを感じる大切な場所。今の社会の中で失われつつあり、自分らしく暮らしていく上で欠かせない大切なものが「パークスガーデン」に宿っているのかもしれません。
緑を育て続けていくために。植物や虫と、スローに向き合っていく。
私は、総勢8名のスタッフといっしょにガーデン内を巡回しながら植物をこまやかに観察し、必要なお世話をしています。水が欲しいのか、肥料が必要なのか、剪定を行った方が良いのか、時間と手間をかけ植物とスローに向きあうように心がけています。
また、植物を育てるうえで避けられない害虫は、農薬に頼らず人の手で駆除しています。もちろん、取りきれないこともあるのですが、残った害虫を鳥や益虫が食べるなど、自然な生態系を保つためにあえてそうしています。
訪れるお客さまが安心して植物にふれられるように、人にも自然にもやさしい管理をめざしています。
開園当時から、この人工的につくられた空間をなるべく自然環境に近づけるために、私たちが時間と手間を惜しまず、長期的な空間づくりを続けてきました。このように植物や虫たちと向き合ってきたことで、今の緑あふれるガーデンに育ってくれたものと思います。自然や緑にふれたい、ふとひと息安らぎたいという時はぜひ、訪れていただければうれしいです。また、このガーデンを通じて、植物のある暮らしが広がっていけばよりいいですね。
私にとってパークスガーデンは | |
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私にとってパークスガーデンは | |
植物とともに、お客さまの憩いや気づき、楽しみも育んでいく。
パークスガーデン事務局
インフォメーション+Botanical shop
ストアマネージャー/
大嶋 美香
私はガーデンの管理とともに、なんばパークス3Fにある「インフォメーション+Botanical shop」での対応をしています。ガーデン内は広く、必ずしもお客さまと接することができるとは言えません。そこで、このショップにガーデナーが常駐し、お客さまとコミュニケーションを取り、植物の名前や育て方など、いろいろな質問にお答えできるようにしています。
また、私たちは、「魅せる管理」をコンセプトに、ガーデンのお手入れを、あえてお客さまのいる営業時間にするようにしています。私たちのお手入れする姿を見てもらうことで、植物についての驚きや発見を感じもらったり、会話が生まれるきっかけになったりすればいいと思っています。
また、ガーデン内には実がなる樹木も計画的に植え、その実を目当てに野鳥が訪れたり、小さなお子さまが見つけて楽しめたりできるようにしています。春には咲き誇る草花を、夏には新緑の瑞々しい香りを、秋には美しい紅葉を、冬には凛とたたずむ植物を。いつ訪れても楽しめる、心地よい空間をこれからも手がけていきたいですね。ガーデンについて気になることがあればショップを訪ねてもらえれば、私たちガーデナーもうれしく思います。
私にとってパークスガーデンは | |
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都市の中に緑という癒しの場を、これからも受け継いでいく。
パークスガーデンには、開業時より大切に引き継がれてきた都市と自然が共存する屋上公園ならではの仕組みや工夫があります。例えば、7階展望広場にある打ち水ペーブという仕組み。広場の舗装された表面を湿らせることで、お客さまに涼や安らぎを感じてもらうとともに、輻射熱や照り返しを抑え、都市のヒートアイランド現象の抑制に貢献しています。
また、ウッドデッキの大部分には自然に溶け込みやすい無垢のウリン材を使用。ショッピングや仕事の合間など、都市の中でも緑の癒しを感じながらほっとひと息ついてもらえるように配慮しています。
今後は植栽のメンテナンスなどで伐採した木々を床の舗装材として活用するといったサステナブルな取組みも計画中です。これまで受け継がれてきたガーデンのコンセプトを大切にしながら、お客さまにとって快適な空間になるよう何ができるのか模索し続けていきます。
私にとってパークスガーデンは | |
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広大かつサステナブルなガーデンを保つためにできることを。
パークスガーデン 設備担当/安岡 宥紀
パークスガーデンで、サステナブルな設備として特徴的なのが水の循環システムです。実はなんばパークスの地下には水の処理施設が設けられており、飲食店の厨房から出る排水をきれいに浄化し、植物への散水やトイレの排水、空調機器を冷やす機械などに再利用しています。
屋上公園としては日本最大級の広さを誇る、パークスガーデン。水やりを行うだけでも大量の水が必要となるため、この水の循環システムはガーデンを維持していくための根幹部と言えます。
また、水やりには人の手も多くかかるため、園内には自動で水をまくドリップチューブやスプリンクラーを設置し、効率よく散水しています。そうした重要な設備の点検や補修を担う責任感を胸にしながら、これからもお客さまが安全・安心に、心地よく過ごしてもらえるように設備面でしっかりとサポートしていきたいと思います。
私にとってパークスガーデンは | |
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20年間つないできた財産。さらに進化させ、次の世代へ。
私はパークスガーデンの管理業務に就いて2年目になりますが、改めて、都市の中にありながらもここまで緑が生い茂り、生態系が確立された、豊かな自然が維持されている場所は他にはないと感じています。
以前の調査では、ハチやチョウなどの昆虫が繫殖を繰り返していることや、大阪府のレッドリストに載っている鳥が確認されています。ガーデン内を歩いてみると、たくさんの鳥が飛んできたり、家の近くにはいない昆虫を見かけたり、パークスガーデンならではの生き物が集まっていることが実感できます。
このように、本物の自然に近い生態系を持ち、それを20年間に渡り維持してきたことは、大切な財産だと考えています。そうした財産を大切に引き継ぎ、さらに進化させ、次の世代へとつなぐこと。そして、パークスガーデンが今よりも何倍も快適な場所になり、なんばの街になくてはならないような存在になるよう私も最大限取り組んでいきます。
私にとってパークスガーデンは | |
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100年先まで続くように。変わらないことと、変えていくべきこと。
パークスガーデン 管理担当/岡崎 義章
開業当時よりガーデンを見続けてきましたが、当時はここまで大規模でありながら農薬を使わない屋上公園は前例がなく、この自然環境をいかに維持し、ガーデンを運営していけばよいのか、毎日が試行錯誤の連続でした。そうした積み重ねの上に、現在のガーデンが成り立っています。そして、その思いや取組みは20年経った今でも変わることはありません。
一方でガーデンの周囲には高層ビルが建ち並び、地球規模で見れば気候変動が起こるなど、取り巻く環境は大きく変わりました。世の中の緑に対する捉え方も変わり、都市の中の自然の癒しや安らぎがますます求められているような気もします。そうした時代やお客さまのニーズを汲み取り、変えるべきところは積極的に変え、これからを担う若い世代とともに、今後もよりよいガーデンを築いていければと思います。
私にとってパークスガーデンは | |
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本物の森を、なんばに。持続可能な街づくりの答え。
なんばの開発プロジェクトがスタートしたのが、21世紀を目前にした1990年代後半のこと。私は技術面の担当者として参加していたのですが、会議の中で「持続可能なまちづくり」というキーワードがよく出ていました。当時はまだサステナブルの言葉は使われていませんでしたが、全員がそのことを意識し、プロジェクトの大きな軸でもあったように記憶しています。
また、なんばの歴史や伝統を受け継ぐという点もよく挙がっていました。実は、この辺りは飛鳥・奈良時代には「難波津(なにわづ)」と呼ばれる海であり、世界につながる日本の玄関口だったそうです。その後、江戸時代には救済米貯蔵の蔵が、戦後には大阪復興のシンボルとして大阪スタヂアムが建てられました。
つまり、昔よりなんばは、世界との交流の場であり、人々のための場であり、憩いや賑わいのある場だったのです。そうしたこの地の歴史や役割を踏まえながら、21世紀になんばはどうあるべきか話し合いを重ねました。
そうして生まれたのが「未来都市なにわ新都」という開発コンセプトです。人間性、自然、文化、創造性豊かなまち、多様性にあふれたまちにしていこう、という想いが集約され、そこには自然との共生も大きなテーマとして含まれていました。
そのコンセプトのもと、現在のなんばパークスとパークスガーデンの構想案が全員一致で採用されました。プランにはその時すでに約1万m²の屋上公園が大きな目玉の一つとしてあり、私も初めてそれを見た時は驚くとともに、すごいものができると直感しました。
当初よりパークスガーデンが掲げていたのは、なんばに本物の森をつくるということ。圧倒的なボリュームの緑を設けることによって、野鳥や昆虫も生息する本物に近い自然環境をなんばに創りたいという想いがあったのです。外部有識者として参加していた大学教授が、野鳥が認識できるぐらいの緑を設けないといけないとおっしゃっていたのは特に興味深かったです。
開業から20年が経った今、私もここまで立派な森が育つとは思っていませんでした。今では数多くの野鳥が飛来し、昆虫なども生息し、まさに自然に近い生態系が形成されています。園内を巡れば、子ども連れのファミリーや学生、また海外からの観光客など、幅広いお客さまが目にできますし、私自身家族や孫と一緒に訪れ、楽しいひと時を過ごしています。自然との共生、人々の賑わいの場。まさに当時、私たちが描いていたビジョンが実現されているようで本当にうれしく感じています。
私にとってパークスガーデンは | |
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