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日本初となる改札機でのタッチ決済導入でよりシームレスに移動できる社会の実現に挑む

日本初となる改札機での
タッチ決済導入で
よりシームレスに移動できる
社会の実現に挑む

日本初となる改札機でのタッチ決済導入でよりシームレスに移動できる社会の実現に挑む

海外からいらっしゃるお客さまの交通移動を快適にし、安心感を抱きながら日本での滞在時間をより有効に使っていただきたい。さらに、日本のお客さまにも、便利な運賃の決済手段の選択肢をまたひとつご提示できたら――。

南海電鉄では、2021年4月より三井住友カード株式会社をはじめとするパートナーの皆さまとともに、クレジットカードのタッチ決済機能を使って、交通系ICカードと同様に改札機をそのままご利用いただける環境を整備しました。改札機でタッチ決済をご利用いただける環境の構築は、大手鉄道事業者としては日本初の挑戦。前例がない事業に挑む背景やシームレスな移動実現へ向けた思いなどを、今回のプロジェクトを先導してきた南海電鉄の藤原と三井住友カード株式会社の石塚さんに伺いました。

お客さまをお待たせしたくない。
日本初の取り組みに挑戦

 

― はじめに、改札機でのタッチ決済導入の背景と自身が関わるようになった経緯を教えてください。

 

南海電鉄 藤原(以下、藤原):私は、鉄道に関するトレンドや動向をキャッチアップして事業に落とし込むという業務を担当する部署に所属しています。情報収集をしていた際に、海外では公共交通機関の利用にクレジットカードが使われていることを知りました。関西国際空港へつながる空港線をもつ当社では、海外の旅行代理店を通じてインバウンド旅行者向け企画乗車券を販売し、窓口で乗車券や特急券に引き換えていただいておりますが、引き換え窓口で長時間お待たせしてしまうという課題を抱えていました。関西の玄関口として、お客さまに便利にご利用いただくためには、なんとしてでも解決しなければならない課題と感じていたこともあり、クレジットカードのタッチ決済を利用したシステム導入のプロジェクトリーダーとしてチームを率いることになりました。

三井住友カード株式会社 Transit事業推進部長 石塚さん(以下、石塚):私どもの部署は、もともとカード利用環境を企画する部署でしたが、海外でのVisaブランドカードの非接触チップの普及状況や日本へのインバウンドの増加などがきっかけで、タッチ決済を交通分野に適用させる部署として独立。研究や市場調査を進めていくなかで南海電鉄さんと出会い、交通利用者の利便性の向上や南海電鉄さんの負担軽減に貢献したいと感じ、共創を進めることとなりました。




― 導入にあたり苦労したこと・どのように課題を乗り越えたか教えてください。


藤原:タッチ決済に対応した改札機の設置は、国内では前例がありませんでした。ゼロベースからのシステム構築や資材の調達などに懸念があり、プロジェクト立ち上げ当時は「本当に早期実現できるのか」と不安視する声もありました。時間的制約も厳しいなか8ヶ月で実装までこぎつけたのは、三井住友カードさんをはじめパートナーの皆さまがノウハウを共有し、真摯に向き合ってくれたからだと感謝しています。そしてなにより、社内の「空港線を持つ当社だからこそ、どこよりも先に実現したい」という共通した想いがあり、走り抜けることができました。

石塚:通常、日本の鉄道システムで新たな施策をしようとすると、約2、3年の月日がかかると言われているんですよね。8ヶ月で実装できたのはクラウドを活用したことはもちろんですが、南海電鉄さんの「絶対に実現するんだ」という強い意志と、それに伴う合理的な判断が大きな要因になったと感じます。



実証実験から実装へ。
共創が生み出す反響の大きさに驚き

 

― 2021年から実証実験を開始。
どのような気づきや学びがありましたか?

 

藤原:実証実験は、PiTaPaなどの交通系ICカードと同等のサービスが提供できるか、システムが安定稼働するのか、個人の属性の分析ができるかの3つの観点を持って開始しました。
山岳区間の電波状況などさまざまな検証を行い、システムの安定稼働の確認のほか、運賃割引キャンペーンのような交通系ICカードでは実現が困難なサービスが行えることも確認できたため、サービスを継続して提供しています。



― タッチ決済導入における社内外の反響は?

 

藤原:ある女性のお客さまから「子連れの場合、交通系ICカードのチャージに苦労する。クレジットカードなら残高不足で足止めされることがないし、一枚で買い物までできてありがたい」というお声をいただいたのが印象的でした。社内では、交通事業者として先行して事例を作れたことは大きな達成感を生み、成功体験は社員のマインドチェンジにもなったと思っています。

 

石塚:国内初の取り組みを南海電鉄さんが始めたというのは、各メディアにも取り上げられ、世間的にも衝撃的なニュースでしたね。以降、「南海電鉄さんがやったのなら自分たちにもできるかもしれない」と、後に続いた会社さんがたくさんありました。この2~3年で事業者の間ではタッチ決済は常識として広がったと思います。次の3年は、交通利用者のなかで「タッチ決済なんて当たり前でしょ」という風潮まで持っていけたらと思っています。

 

タッチ決済で目指すのは、
シームレスな社会

 

― タッチ決済の今後の展開、
目指す未来の姿を教えてください。

 

藤原:まずは、タッチ決済対応駅を拡大することが目標です。2025年には万博も控えていますので、それまでに環境を整えたいと思っています。そして、当社の取り組みを共有し、他交通事業者さまへと仲間を広げていくのも先駆者として使命と考えています。日本全国でタッチ決済での移動が広がれば利便性が高まり、海外からのお客さまもまるで母国にいるようにシームレスな鉄道利用ができるようになります。

最近では、福岡空港までの空港線を持つ福岡市交通局と協力して乗継割引のキャンペーンを実施しました。エリアの垣根を越えた事業者さまとコラボするのは初めてでしたが、従来のキャンペーンに比べて利用者数が格段にアップしました。共創による可能性を感じているので、引き続き他の事業者さまにも広げていけたらと思います。

 

石塚:タッチ決済は、観光やまちづくりなど、あらゆることに活かせる可能性を秘めていると思っています。タッチ決済を通じてキャッシュレスを普及させることで、未来がより良くなるとも信じていますが、私たちだけでは叶えられないことですので、各々が持ち得る力を発揮しながら考え続けることが共創の意義だと思っています。南海電鉄さんでは、今後、交通系ICカードやQRコードを使った「南海デジタルきっぷ」、そしてタッチ決済と、さまざまな選択肢を交通利用者に提示し、交通利用者それぞれがニーズに応じて選んでいく時代になると思います。私たちは、選択肢のひとつであるタッチ決済の利便性を高めながら共に未来を考えていきたいです。

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