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なんばの駅前を人が賑わう広場に。なんば広場

なんばの駅前を人が賑わう広場に。
なんば広場

2023年11月、
南海なんば駅前に誕生した「なんば広場」。
平日には、観光や買い物に訪れた人はもちろん、
なんばで働く人や暮らす人たちが
ほっと一息つける場所として。
そして休日は、イベントで賑わう、
平日とはまた違った顔に。
この場所には、「大阪の玄関口なんばを、
みんなに嬉しい空間にしたい」と奮闘した、
地元の人たちの物語が息づいています。

なんば安全安心にぎわいのまちづくり協議会 菊池さん
南海電鉄 廣田
南海電鉄 大前

10年先も20年先も、
なんばにワクワクしてもらうために。

なんば駅前ロータリー
なんば駅前車道

始まりは、2008年。
当時のなんば駅前は、ロータリーや車道がある車中心の空間。しかも、歩道には違法駐輪が多く、かなり道幅が狭くなってしまっていました。これにより、歩行者の流れが途切れてしまうことも。
「これでは、ただ混雑しているだけ。人がたくさんいても、賑わいとは言えないのではないか。」そう語るのは、戎橋筋商店街の会長、菊地正吾さん。なんば広場の検討を行う「なんば安全安心にぎわいのまちづくり協議会(以下、協議会)」の現会長でもあります。
「10年、20年先もなんば全体に魅力を感じていただくためには、このままではいけない」と当時の関係者が立ち上がり、プロジェクトがスタートしました。

車中心の空間を、人中心の空間へ。


そうした中で生まれたのが、「なんば駅前を広場にする」というアイデアでした。「なんばのスタート地点が、ウキウキするおもてなしの空間になれば、もっとなんば全体を魅力的なまちだと感じてもらえるんじゃないかと考えました。」と菊地さん。

このときはまだ、夢物語でした。
それでもまちの人たちは、夢の実現に向けて動き出しました。まずは町会や商店街のメンバーで協議会を立ち上げ、その輪の中に、髙島屋、マルイ、南海電鉄など、なんばとともに発展してきた企業が加わりました。
協議会メンバーのひとり、南海電鉄の廣田は言います。「南海にとっても駅前は、電車でなんばにやってきた方が最初に降り立つ場所。最高のおもてなしをしたい気持ちは、私たちも同じです」。こうして、地域と企業、さらには行政も加わり、プロジェクトは進んでいきました。

社会実験で示した、広場の可能性。


こうして本格的に動き出した、「なんば広場」プロジェクト。ただ、いくつもの壁が立ちはだかりました。なんば広場は、広さ6000㎡。この規模の道路を広場に変える事例は、日本中どこにもありませんでした。「すべてが挑戦でした」と廣田はプロジェクトを振り返ります。
中でも大変だったことは、今はまだ存在しない広場の必要性を、さまざまな立場の人に理解してもらうこと。そこで、言葉だけでなく実証実験で、道路が広場になったらどんな変化があるのか、体験してもらうことにしました。
広場になったらどんないいことがあって、どんな問題が起こるのか。今まで通れていたところが通れなくなったら、支障が出ないか。そんな疑問を、一つ一つ、確かめていきました。そうして少しずつ、『これならアリだね』と納得する人が増えていきました。


夢がかなった日。それは望まれていたまちの姿だったと知った。

こうして発足から15年が経った2023年11月、なんば広場がオープンしました。そのときの気持ちを、菊地さんはこう振り返ります。「うれしかった、でも、それ以上に『ありがとう』の気持ちで胸がいっぱいになりましたね。協議会のメンバーだけでなく、まちの方やタクシードライバーの方、配送業者の方など、本当に多くの方が協力してくれたから実現できました」。
廣田にとっても、オープンの瞬間は忘れられない光景でした。「広場を囲っていた安全柵を外した瞬間、みなさんが一斉にワーッと広場に入って、思い思いに過ごされていました。『これほどたくさんの人に望まれていた空間だったんだ』と感じて、胸が熱くなりました」。
大前も「先日、なんば広場での実証実験の一環で大道芸のショーをしたんですが、あっという間に20人、30人と集まってきて、最終的には200人もの人で賑わいました。人を引き寄せる場所の強さを実感しましたね」と、手応えを口にします。


広場の完成は、新しいスタート。


オープン後のなんば広場では、ベンチでおしゃべりする人や飲食を楽しむ人、地図を広げて次の行き先を考える人など、たくさんの人が思い思いに過ごす光景がすっかり定着しました。けれども、これはまだゴールではありません。
「これからも、なんばへ来る人がいつでも楽しい体験ができるよう、新しい仕掛けを考えたい」と大前。
また、廣田が「なんば広場がまちの心臓みたいに人をまちへ送り出し、疲れたらまた戻ってくる。そういうサイクルで、なんば全体を元気にしていければ最高ですね」と未来を見据えれば、菊地さんも「広場だけで終わるのではなく、なんばをもっと世界から注目されるまちにしていきたい。買い物や観光はもちろん、なんばで働きたい、住んでみたいと思う人を増やしていきたいです」と想いを熱くします。

2008年、まちの人たちの想いから始まったなんば広場の物語は、時代を超えて受け継がれています。
鉄道会社もお店をやっているひとも、まちを支え、まちに支えられてきた存在です。そんな私たちだからこそ、これからも力を合わせて、なんばのまちをより良くし、未来へつないでいきます。


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