諏訪ノ森駅舎の曳家工事

 当社では、伝統ある諏訪ノ森駅旧駅舎の保存および活用に努めています。
 諏訪ノ森駅旧駅舎は1919年に建てられた歴史ある駅舎で、入り口上方に浜寺から淡路島にむかっての海岸の様子が描かれたステンドグラスが5枚はめこまれています。その他、随所のデザインに工夫が凝らされており、1998年には浜寺公園駅旧駅舎と共に国の登録有形文化財となっています。
 そんな諏訪ノ森駅旧駅舎は、南海本線の高架化(連続立体交差事業)に伴い移設が必要になりました。沿線地域の方々が中心となって保存活用の取組が行われ、2020年2月、駅舎をそのまま数メートル移設する「曳家(ひきや)工事」を実施しました。曳家工事の様子は沿線地域の方々へ一般公開をし、皆さまとともに長年愛されてきた諏訪ノ森駅旧駅舎が移動する様子を見守りました。また、沿線の浜寺小学校へ曳家工事及び高架化工事についての出前授業を行い、工事後の諏訪ノ森旧駅舎及び新しくできる高架駅舎を含めたまちづくりについて意見を交換しました。
 9月には移設された諏訪ノ森駅旧駅舎において、沿線地域の方々が主体となったNPO、堺市、当社の三者共同でオープニングセレモニーを開催し、現在は旧駅舎内で沿線地域の方々によるカフェ・ギャラリー・文化教室等が開かれ、沿線地域の方々の憩いの場として生まれ変わりました。

  • 曳家工事一般公開の様子

    曳家工事一般公開の様子
    沿線地域の方々と諏訪ノ森駅旧駅舎が移動する様子を見守りました。

  • 曳家工事の様子

    曳家工事の様子
    緻密な管理を行いながら、少しずつ駅舎を動かしていきました。


  • 沿線小学校出前授業

    浜寺小学校出前授業の様子
    曳家工事等の説明を行い、その後、諏訪ノ森駅旧駅舎及び高架駅舎を含めたまちづくりについて意見を交換しました。


  • 担当者コメント
  • 都市創造本部 施設部 竹本 泰英(写真右)
    鉄道営業本部 工務部 盛岡 学(写真中央)
               樽井 英樹(写真左)


 今回のプロジェクトでは、新型コロナウイルス流行下において、いかに沿線地域の方々に不安を与えないようにしながら曳家関係工事を予定通り進めるか、また、いかに興味をお持ちいただいている沿線地域の方々に工事やイベントの様子を公開するかについて、特に知恵を絞りました。
 まず、工事全体において、沿線地域の方々に不安を与えないように、作業員のマスク着用やアルコール消毒など、感染防止を徹底しました。また、国の緊急事態宣言期間中に工事を一時休止したため工程の遅延が懸念されましたが、沿線地域の方々が楽しみにしている試験活用開始を遅らせないように、調整を行い、無事完了させることができました。
 次に諏訪ノ森駅旧駅舎の曳家工事の様子を沿線地域の方々に見ていただくために、密を避けながら一般公開の場を設けました。また工事完了後のオープニングセレモニーにおいても、会場内の換気やソーシャルディスタンスを確保した配席など徹底した感染予防を行いました。これらによりコロナ流行下ではありましたが沿線地域の方々と地域愛の溢れる素敵なセレモニーを開催することができ、諏訪ノ森駅旧駅舎の新たな一歩を共にすることができました。
 諏訪ノ森駅旧駅舎については、当社としても思い入れが深く、何より沿線地域の方々に親しまれてきた大切な駅舎です。難しい工事である中で、失敗できないプレッシャーもありましたが、地域の方々の喜んでいただく顔を思い浮かべながら取り組みました。これからも長く使っていただけるように、維持管理に努めていきたいと思います。また、駅舎の有効な活用方法についても沿線地域の方々や堺市と連携をしながら考えていきたいと思います。まだまだ道は長いですが、将来的には諏訪ノ森駅旧駅舎を中心に街を盛り上げていくお手伝いをしていきたいです。