スマートシティの実現

泉北ニュータウンのサステナブルなまちづくり

沿線各所において自治体と協働で進めている「地域共創型まちづくり」の代表例が、泉北ニュータウン※での取り組みです。当社が2014年から活性化計画を進めている堺市の泉ケ丘駅前地区は、泉北ニュータウンの中核駅です。周辺での近畿大学医学部および近畿大学病院の泉ヶ丘への移転、URなど賃貸住宅の建替事業による新たな住民の流入などを機会と捉え、「泉ケ丘駅前活性化計画」と「泉北ニュータウンスマートシティ戦略」を推進しています。ニュータウン再生のパイロットモデルとして、サステナブルで魅力のあるまちを実現します

※泉北ニュータウンは1992年には人口16.5万人を擁した関西を代表する大規模ニュータウン。まちびらきから50年余りを経て、2021年には11.6万人まで減少し、2030年には10万人以下を予測するなど人口減少・高齢化の社会課題が顕在化しています。これに対し、エリアの魅力と活力を引き出す活動をステークホルダーとともに進めています。

SENBOKUスマートシティコンソーシアム

「SENBOKU New Design」および「堺スマートシティ戦略」の理念に基づき、2022年6月、堺市、大阪ガス㈱、西日本電信電話㈱、当社が発起人となり、「SENBOKUスマートシティコンソーシアム」が設立されました。現在、コンソーシアムには企業や大学など140を超える団体が加入し、公民がイコールパートナーとして取り組みを加速しています。

モビリティ、エネルギー、ヘルスケア、スマートタウン、データ連携で11の事業を実施しており、当社グループではAIを活用した「NANKAIオンデマンドバス」やヘルスケアアプリ「へるすまーと泉北」の実証実験を行っています。当社は運営委員会の一員として、実証プロジェクトなどの企画・コーディネートを通じ、会員とともに新しいサービスの地域への定着を目指していきます。

 

【実証実験1】NANKAIオンデマンドバスの実証事業※

- モビリティWGの取り組み -

当社と南海バス(株)は、堺市とともに、泉北ニュータウン地域における住民の外出促進や、目的地までの移動の利便性向上、新しい交通手段の創出を目指し、2022年度には、同地域内の選定地区と泉北高速鉄道線の泉ケ丘駅を含む3駅においてAIオンデマンドバスの実証事業を実施しました。2023年度もエリアと期間を拡大のうえ、10月より実施しています。※本実証事業は、令和4年度・5年度の大阪府AIオンデマンド交通モデル事業に採択され、その補助金を活用して実施しています。

※本実証事業は、令和4年度・5年度の大阪府AIオンデマンド交通モデル事業に採択され、その補助金を活用して実施

【実証実験2】「へるすまーと泉北」アプリ実証実験

– ヘルスケアWGの取り組み –

「へるすまーと泉北」は、シニアの運動&計測習慣づくりを行うことで生活習慣病などの予防と行動変容を促すスマートフォンアプリです。2022年度より泉北ニュータウン地域の居住者や来街者を対象に実証実験を開始しており、2023年4月からは、歩いて貯めたポイントを、泉北高速鉄道各駅間などで利用できるデジタルきっぷとの交換サービスを開始しました。現在、コンテンツ拡大に努めています。

ステークホルダーの声

大阪ガス株式会社
常務執行役員
近本 茂 様

泉北ニュータウンは、まちびらきから50年以上が経過し、人口減少・少子高齢化、インフラの老朽化といった地域課題を抱えています。それらを解消し地域の価値を高めて次世代へ引き継ぐ「持続発展可能なまち」を目指し、公民協働の新たな取り組み「SENBOKUスマートシティコンソーシアム」が発足しました。

弊社はコンソーシアムのエネルギー関連分野でさまざまな会員企業の皆さまとスマートシティ事業を推進しています。低脱炭素・レジリエンスに対応するとともに、住民の皆さまのQOL※向上の実現には、モビリティ・ヘルスケア・スマートタウン分野を束ねる南海電鉄さまとの協働が特に重要と考えております。地域に根差した事業を展開される南海電鉄さまには、引き続きリーダーシップを発揮いただき、スマートシティ実現に向けて連携を強化してまいります。

※ Quality Of Lifeの略。一人ひとりの人生の内容の質や社会的にみた「生活の質」のことを指す