NANKAI マイトレイン

NANKAI マイトレイン 車両部インタビュー

通勤電車をもっと身近に、もっと快適に。

毎日利用するお客さまに、車両づくりを
一緒に考えていただくプロジェクトを始めました。
今回は、NANKAIマイトレインのデザイン実現のために
奔走する、車両部の三好さんにお話をうかがいました。

INTERVIEWEE 南海電鉄車両部 三好さん

01 Talk Theme 前例がないプロジェクト、作業現場でも前例のないことばかり

実は今回のプロジェクトの話を聞いたとき、本当に実現できるのかという思いがありました。通常、一般車両は車両部から車両メーカーに要望を伝え、ご提案いただいたデザインから内装のリニューアルを進めています。今回のように具体的に南海電鉄でデザイン案をだしてつくるのは、はじめてなんです。これまでとはまるで違う、車両の素材がどんどん必要になるのではないか、という不安がありました。

02 Talk Theme お客さまとともにつくるからこそ、長く走りつづけられる車両に

従来の一般車両のデザインは運用やメンテナンスのしやすさなどが大きな検討点になります。ですが、今回のデザインはお客さまが乗車中にどのように過ごしたいかを、主軸に考えて作られたもの。デザインをかたちにする難しさはありますが、どのようなデザインができるのか楽しみだという思いもありました。実際、決定したデザインは南海電鉄だけでなく他の鉄道会社も含めて、私の知る限りでは前例がないものでした。ただ、そのデザインは「わが家のリビングにいるような」というコンセプト通りの寛げそうな雰囲気で、新たな可能性を感じました。そして、このデザインはお客さまへのアンケートで選ばれたもの。だからこそ、なんとしても実現しなくてはと決意しました。また、車両部としては車両の長い運用を見据えています。期間限定のデザインにはしたくないですからね。

03 Talk Theme 車両部、協力会社が一丸となり、デザインの実現へ

デザインの実現にあたり、内装の担当は相当苦労しています。打ち合わせは社内のみならず車両メーカーとも何度も行いました。車両の内装は「アルミデコラ」という板の素材を貼って着色しています。デザインと照らし合わせながら、その素材を車両メーカーと打ち合わせを重ねて決めていきました。中には実現が難しい色もありました。例えばデザイン上、床は艶のある木目調の色ですが、メンテナンスの点から汚れやすいのではという懸念もあり、様々な条件をクリアした素材を探すのには苦労しましたね。素材を集めていただいた車両メーカーにも、非常に多くのご助力をいただきました。

04 Talk Theme 特長的なシートは、困難を極めた部分でもあります

シート色の切り返し。これも前例がなく、シートメーカーには「不可能では…」と言われるほど難しいものでした。シート色の切り返しの幅は大体ではなく、ちょうど一人が座れる幅(約430mm)にしますが、正確につくるのが難しい。さらに、つくった生地の幅は正確でも、美しい直線でクッションに貼り付けるのには高い技術が求められます。今はまだ試作の段階ですが、やっぱり難しいですね。どこまで精度を高められるかが、これからの課題です。※シート色の切り返し:1人ずつ座れる幅にシートの色を変えること。

05 Talk Theme 進化し続ける南海電鉄にもご期待ください

苦労しているシートはもちろんですが、完成したNANKAIマイトレインで見ていただきたいポイントはたくさんあります。言わば全体ですね。乗車いただいたお客さまに、居心地の良さを感じてもらえたら大成功ではないでしょうか。さらに「南海電鉄が変わったな」と、思っていただけると嬉しいですね。これまではNANKAIマイトレインのような取り組みがありませんでした。車両のデザインを展示し、お客さまに触ってもらい、座席に座ってもらって、好みのデザインを選んでもらう。そして、選ばれたデザインの車両が走る。ほとんどが初めての試みです。正に挑戦の連続です。とは言え、改革はまだまだこれから。ぜひこのNANKAIマイトレインの完成を楽しみに見守っていただきたいですね。

NANKAIマイトレインの車両は現在、運行中!

完成までの間、今後もプロジェクトに携わるスタッフなどの
想いや更新の様子などを随時紹介していきます。

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NANKAI マイトレインの流れ FLOW

  1. 01.プロジェクトチーム結成(4チーム)
    社内公募により、南海電鉄のさまざまな部署から若手社員を中心とした4つのプロジェクトチームを結成。
  2. 02.コンセプトメイキング
    「お客さまにとっての快適な車内空間」について真剣に議論を交わし、4つの車内デザインコンセプトを策定。
  3. 03.和歌山大学空間デザイン学研究室の川角典弘講師による監修
    コンセプトを実現するデザイン作成のために、ベースとなる配色について、色彩心理学に基づく監修を受ける。
  4. 04.デザインメイキング
    車両の各パーツにカラーリングを施し、新たな車内デザインを考案。

05.
デザインアンケート
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